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2007年5月

2007年5月25日 (金)

㈱イー・コモード殿との会合

5月11日、名古屋市にある㈱イー・コモード社殿との会合で名古屋へ出張した。同社社長の白木さんは、若手の経営者で、何年か前にインテックス大阪の展示会で始めてお会いした。その時、私は同社の”シンプルな生産管理パッケージ”に興味を持ったが、以後、同社とは懇意にさせて頂いている。白木さんは、人間とコンピュータは相互に補完関係にあるとの考えを持っておられ、人間的な生産管理パッケージを開発されている。

同社の創業は2000年6月、社員は15名で、平均年齢は20歳代という若さ溢れる会社である。創業以来、まだ辞めた人は皆無という。これは同社の社員重視の会社風土によるものだと思われる

同社の顧客は、全国的で、愛知県に拠点を持ちながら、関東地域、関西地域にも多くの顧客を持つという。顧客との接点は殆どホームページであるが、受注に至るまでのプロセスにおいては、それらの見込み客とのリアルなコンタクトが重要であると言われていた。

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事務所風景

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2007年5月21日 (月)

”働きがい”がある会社に!

”どうせ働くなら楽しく生き生きと、皆と協力して仕事をしたい” そう思わない人はいないであろう。従って、働く人を主役に据える企業こそが競争力を高める。これは日本は言うに及ばず世界の常識になりつつある。良識ある経営者を持つ会社は、いち早くそのことを認識し、会社の実績を上げている。

株主重視の経営姿勢、過度の成果主義型人事評価制度、人間無視の管理強化、サービス残業、等-これらは会社に対する働く人の信頼感を喪失させている。最近の新聞でも、サービス残業による過酷な労働により、心身を損なわれた人の被害が報じられており、我が国の職場環境は悪化の一途を辿っている。このような傾向は阻止されなければならない。

グローバリズムの本家であるアメリカにおいてさえ、良識のある経営者は存在する。少し前の日経ビジネスの斉藤智文氏の記事に、次のような内容のものがあったが興味深い。米経済誌「フォーチュン」が”最も働きがいがある会社ベスト100”を1998年以降、発表しており、ベスト100社に入った企業の従業員の自発的離職率は平均12%で、人材流動性が高い米国の中では極めて低いという。そして100社に共通する企業風土として、従業員重視、良好な社内コミュニケーション等が挙げられている。

この調査は、企業側が提出する資料をベースに評価を決める形式的なものでなく、調査会社が、統計的に信頼できる数の従業員にアンケートを送り、職場の率直な意見を聞く。また、調査に参加するのは企業風土を「働きがい」のあるものに高めようと真剣に考えている企業ばかりである、というところに真実性が認められる。我が国にも、このような発表をする経済誌が存在すれば良いのに、と思うのである。

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2007年5月20日 (日)

ゴルフツアーで史上最年少優勝

今日、男子ゴルフの公式戦で、高校生のアマチュア石川遼選手(15歳)が優勝する瞬間を観た。15歳8カ月での優勝は日本の男子ツアー史上最年少で、高校生の勝利も初めてだという。女子ツアーを含めても18歳で優勝した宮里藍を大きく上回った。

優勝者インタビューを観たが、少年らしく若々しい笑顔が爽やかだ。話す内容も、言葉を慎重に選び、大変謙虚だ。将来の目標として、皆に好かれるプロゴルフ選手になりたいと言っていた。一時の勝利に驕れることなく、精進を重ね、男子ゴルフ低迷の時代の救世主になって欲しいものだ。

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2007年5月15日 (火)

枚岡合金工具㈱ 工場見学記

59日、中小企業診断協会の仲間と一緒に、大阪市生野区にある枚岡合金工具㈱を見学させてもらった。同社は、経済産業省認定IT経営百選 2006”最優秀賞受賞企業であり、その他にも中小企業経営革新法に基づく認証やISO9001の認証、等を取得している。そういうわけで見学前から、優れた同社の仕組みを見ることを楽しみにしていたが、実際に見学させて頂いて、その素晴らしさに感激、その後、尊敬の念に変わった。

同社では、経営の基本をS(整理・整頓・清掃)に置いている。毎日、朝礼で経営理念を全員で唱和、続いて安全唱和をする。その後、全員一斉に床の掃除を行う。これを通じて「気づき」に学び、「気を込めた」金型造りをするための気持ちを醸成するのだという。私達見学者も一緒に掃除をしたが、確かに気持ちがフレッシュになり、そのような“気”が醸成されるような気持ちがした。

同社では、バブル崩壊後の経営難を克服するため、生き残りをかけ経営革新を図ったが、先ず始めたのがS活動だという。異業種交流会(大阪リエンジニアリング研究会)参加企業6社と共に始めたが、皆と一緒に始めたことにより、お互いが励まし合い、諦めずにやり遂げることができたという。

Sの実施状況を、事務所及び工場で見せてもらったが、まさに徹底した3Sであり、いつでも、誰でも、要るモノが直ぐに取り出せるような工夫や作業によるムダな動作の軽減の工夫等が見事になされていた。これらの3Sは全て手作りで行われている。当初、3Sが本当に経営改善に繋がるのかと、疑問に思うことがあったが、やっている内に、心の問題が現実の問題に繋がっていたという。3Sの対象は、場所の3S、モノの3S、情報の3S(後述のデジタルドルフィン)、心の3Sに及んでいる。

現在のように外部からの工場見学を受け入れるようになったのは、同社の3Sの評判を伝え聞いた松下電器㈱、“大企業で学べないものを学びたい”という目的をもって同社に見学に来てくれた”からだという。見学に来た松下の人は大変感激し、このような立派な工場を他社にも見せてあげ、勉強してもらったらどうかと勧められたのが契機だとのことだ。その時、古芝社長は、他社に工場見学をしてもらい、社会のために還元したいという思いを持たれたという。

その後、3Sが出来ていたこともあり、ISO9001は独力で構築できた。
審査機関主催ISO築事例発表会で、大企業に混じって参加を要請されたが、その時、小さな会社でもやれば出来るんだ!と自信を持たれた、とのことだ。

最後に、同社の業務について述べておきたい。次の2つである。

①冷間鍛造部品用金型の設計・製造・販売 
②デジタル書類管理システム(商標名:デジタルドルフィン)の制作・販売:
金型工場の現場のアイデアから生まれた。非常にシンプルな検索で、書類の大海原から必要な書類を探してくれる優れものだ。

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朝礼後、

全員一斉掃除

の説明を受けて

いるところ

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古芝社長
の講演

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2007年5月 7日 (月)

若者に働く喜びを!

◆最近の新聞に、”高校生の意識調査”が掲載された。その調査によれば、最近の高校生は、”偉くなりたくない”が多数を占め、他国に比べ元気のなさが目に付くという記事であった。大変寂しいニュースである様に思われた。

◆しかし良く考えてみると、この調査でいう”偉い”とは何を意味するのだろうか?どうも、人を押しのけて有力政治家や有力企業の社長になり、自分だけが富や権力を得るというようなイメージが感じられる。思いすぎであろうか?そうであれば、最近の有力企業の不祥事や製品不良、等により経営者の権威喪失がみられることや、汚職にまみれた政治家の権威喪失から見て、若者が、このような人になりたくないと幻滅を感じていてもおかしくない。

質問そのものが曖昧だ。”偉い”とは本来、社会を良くするとか、人類の生活向上に貢献するとか、といった意味を含むべきで、このような意味を含むものであれば、”偉くなりたい”と思う若者が増えたであろう。

◆最近、勤労状況の悪化が問題となっている。サービス残業、いわゆる”ただ働き”の常態化、更には、非正規社員の増加だ。これらは、若者の仕事に対する意欲を失わせている。

成果主義の弊害も考えられる。グローバリズムの代表者である”成果主義”は、本来の教育・訓練という意味を逸脱し、賃金を抑制するための道具として採用され、日本における良き職場環境、即ち、皆が助け合って、協力して仕事をしようという職場の雰囲気を破壊している。今、この反省がなされているが、当然である。
成果主義については、今年の文芸春秋の紙上で、元ソニー常務の天外氏が述べられていたことを思い出す。天外氏は「成果主義がソニーを破壊した」で、ソニーは成果主義の導入により、内発的動機を失った、と述べている。内発的動機とは、人に命令されなくても、人間の内側から自然にこみ上げてくる衝動である。これの反対の外発的動機とは、お金が欲しい、出世したい、名誉が欲しい、等の外部からの報酬を求める心である。後者については、全面的に否定することもないと思うが、少なくとも言えることは、人間は経済的合理性だけで仕事をするわけではないということだ。収益一辺倒のMBA的視点は考えものだ。

私は、皆が助け合って仕事をしなければやっていけない中小企業には、どうみても日本的な成果主義は合わないと思う。

◆ともかく、若者を取り巻く環境は厳しい。一日も早く、若者が喜びを感じるような職場環境になって欲しいものだ。

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2007年5月 6日 (日)

クレマチスの花

毎年、春が来るとクレマチスの花が咲くのが楽しみだ。花が沢山咲く年もあるが、そうでない年もある。今年は沢山咲いたので嬉しい。
クレマチスはテッセン(鉄線)とも呼ばれ、元々は青い花が多かったが、最近では色んな品種があり、色彩も色とりどりだ。私は青い花が好きだ。素朴で寂しげなところが良い。緑の葉とコントラストを構成して美しく見える。

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2007年5月 2日 (水)

仏教国ブータンに学ぶもの

先日、NHK番組「五木寛之 21世紀仏教への旅 ”幸福の王国を目指して-ブータン”」を観た。ブータンはインドと中国に挟まれた人口60万人の国である。

7世紀に仏教がインドよりこの国に伝来し定着した。以来、仏教はブータンの人々に根付き、生活そのものとなり、今では収入の約半分が近所の人々との法要に費やされるという。自分ひとりでは生きられない、皆で助け合い、支え合い、生きて行かなければならないという、思想が浸透している。仏教発祥の地であるインドと近い場所に位置していたことで、仏教の純粋さが残されたのであろう。これに対して、葬儀の時以外は関わりがない我が国の形骸化した仏教との差を感じる。

このような背景の下、ブータンには、現国王が提唱したGNH(国民総幸福量-Gross National Happiness)という基準がある。GDPやGNPとは違った基準であり、一人単独での幸福はない。他人の幸福があってこそ自分は幸福なのだ、という考えである。ブータンの人に言わせればGDPやGNPという我が国や西欧が採用している考えはレベルが低いということになる。私も人間重視の観点からは、この考えも一理あると思った。番組ではブータンの人たちにインタビューしていたが、彼等は物質的な欲望や金儲けに対しては貪欲でない。

五木さんは、番組の中で、現在の日本の状況に触れ、教育問題の行き詰まり、自殺や殺人の多さ、親子の断絶、等の問題の解決には、人間関係の進歩が大切であり、ブータンには学ぶべきものが多いと、言われていたが、同感である。

アメリカを源とするグローバル化の波が押し寄せていている今日、世界の各国が、グローバル化の波をせき止め(グローバル化には良い面もあるが、悪い面もある)、独自の良さ(社会、文化、経済)を再認識し、これを後世に残すことが必要であると感じた。

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