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2007年6月

2007年6月30日 (土)

韓国旅行の思い出

6月中旬、家内と娘の3人で韓国旅行に出かけた。韓国への訪問は2度目である。最初の訪問は14年前、サウジアラビアのヤンブで韓国の大韓電線㈱の方々と一緒に建設プロジェクトに従事していた時、一時帰国の途中ソウルに立ち寄った時である。韓国の様子は、前回の訪問時とは様変わりしていた。近代的なビルと旧来の街並みとの調和、広い道路、世界のハブ空港と言われる仁川空港のスケールの大きさ、活気溢れる人々、歴史を大切にする心・・・全てが新鮮で、驚きの連続であった。

韓国の歴史は、三国時代(高句麗、百済、新羅、伽耶諸国(任那加羅)、高麗時代、1392~1919年の李氏朝鮮時代、その後35年間1945年までの日帝植民地時代と続いている。この間、1592~1598年に豊臣秀吉が2度に亘り愚かな侵略戦争を行っている(文禄・慶長の役。韓国では壬辰倭乱・丁酉再乱と呼ばれている)。このような歴史的背景の下で、これに心ない政治家の歴史認識の至らなさも加わって、韓国と日本は近くて遠い関係にある様にみえる。しかし最近の韓流ブーム等で相互の文化交流が進行し、両国間のわだかまりが少しずつ解消の方向に向っていることは喜ばしいことである。

今回、韓国ドラマ(冬のソナタ、チャングムの誓い)のロケ地に加えて、李朝創始者の李成桂が建立した景福宮(キョンボックン)、その離宮である昌徳宮(チャンドックン)、宗廟(チョンミョ)、更には水原(スウオン)市にある華城を訪れた。景福宮、昌徳宮、水原華城は世界文化遺産に登録されている。さすが世界遺産の風格を感じさせるものがあった。これらの建築物の多くは、豊臣秀吉の侵略を受けて大被害を被ったというが、晩年の秀吉は愚かな恥ずべきことをしたものだ。

今回、チャングムの誓いのロケ地と水原華城を案内して頂いたギルヨンスク(吉用淑)さんの通訳は大変親切で分かりやすかった。韓国の歴史、文化、日常生活についての質問に的確に答えて頂き大変よい勉強になった。来年、日本を訪問したいと言っておられたが機会があれば再会したいものだ。

韓国の2大市場の一つである南大門市場にも行ったが、その迫力満点で、生命力溢れる市場には感激した。道の両側の店だけでなく、道の中央にも出店が出され、通行も困難な程で、商品が溢れるばかりであった。店の若い人が日本語が達者なのには驚いた。 ”日本に帰ったら口コミで自分の店のことを伝えて欲しい” と店の若者が流暢な日本語で語りかけてくれたが、それが今でも強く記憶に刻まれている。

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昌徳宮

約270年間李朝の
政務の場として
利用された。

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水原華城

城郭の花と
言われている。

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南大門市場

活気溢れる市場。
大抵の店で日本語
が通じるようだ。

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2007年6月20日 (水)

労働生産性の国際比較

社会経済生産性本部が2006年版「労働生産性の国際比較」を発表した。それによると日本の労働生産性はOECD加盟30ヶ国中第19位、主要先進7ヶ国間では最下位である。なお、第1位はルクセンブルグ、第2位は米国であった。しかしながら、日本の製造業の労働生産性は、OECD加盟国でデータが得られた24ヶ国中第3位で主要先進7ヶ国でみると、米国に次ぎ2位となっている。このような統計を根拠に、経済界からホワイトカラーの働き方の改革を求めて、一部の会社員を労働時間規制から外すホワイトカラー・エグゼンプションの論議が昨年の末、活発となった。

労働生産性とは、各国が生み出した付加価値の総額である国内総生産(GDP)を全就業員数で割って算出する。日本の労働生産性が低いのは、就業率が相対的に高いことや、非製造業部門の労働生産性が比較的低い水準にあることなどが要因に挙げられる。5月23日の朝日新聞の記事によると労働生産性を決める要因は様々ということだ。

例えば、①情報通信技術への投資が増えると一人当たりの生産性は上がる。日本は上位の国々よりも、情報通信技術への投資が少なかった。非正規雇用の拡大も影響している。日本の就業者数に占めるパートの比率は00~04年の平均で24.8%(OECD加盟国中3位)。日本のように正社員より賃金がかなり低いパートに、労働意欲の向上を求めても無理というものだ。働いても生活保護の受給額よりも少ない賃金しか得られない労働者も多い。生産性向上を目指すなら、先ずは労働環境の改善策を考えるべきである。正社員とパートの格差が小さいオランダはパート比率が日本より高いのに、1時間当たりの労働生産性は上位に位置する。業種間の生産性のバラツキも影響する。我が国では、前述の様に、製造業が生産性が高いが、従業員数で多くを占めるサービス産業、建設業、卸小売業、農林・水産業などは生産性が低い。

ただ、サービス産業の生産性の低さには日本における無料サービスの品質の高さがあるので、一概にサービス産業を責めるわけにはいかない。不親切な社会になればサービスにお金を払う人が増え、生産性が上がるかもしれないが、このような社会も考えものだ。

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2007年6月14日 (木)

会社を道具に地球環境を守る会社

”会社は金儲けをするところだ”と言って憚らない企業が目に付くこの頃であるが、会社を道具に地球環境を守ることに使命感を感じている企業がある。先日、朝日新聞のbe on Saturday に紹介されたパタゴニア社である。アメリカに本社を置き、日本にも支社がある。同社の代表者はイヴォン・シェイナードさんで、東洋経済新報社より発行された書籍「社員をサーフィンに行かせよう」の著者である。

フレックスタイムは同社の前身にあたる会社を創業した57年以来の伝統である。サーフィンや登山用の衣類を作り、品質の高さを追求する同社にとり、フレックスタイムは遊び優先の取決めでなく、社員に責任感を持たせ、仕事の効率を上げ、職場の協調性を高め、何よりもアウトドアスポーツに精通した社員を確保するのに必要だという。

同社の特異性は、成長のための成長、利益のための利益を追わないことだ。売上高の1%を自主的な「地球環境税」として、地球環境保全のために活動する世界のNGOに寄付している。これらは、「最高の製品を作り、環境に与える悪環境を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」という企業理念を具体化したものだ。

同社では株式を公開していない。株式を公開したら株主の要望の応えて売上を伸ばすように成長しなければならず、会社のパワーが不足する場合は、品質の悪い製品を供給することになり、消費者が望むパタゴニア社のブランドがなくなることを懸念するからである。イヴォン・シェイナードさんにとっては、大きなビジネスは価値がない。小さくても職人気質の品質を追求したいのだ。

同社も最初からこのような企業理念に基づいて行動していたわけではない。どの経営者も陥るような間違いもおかした。経営不振に陥り従業員を解雇したこともある。現在の企業理念は、過去の反省の上に築かれたものである。イヴォン・シェイナードさんは言う。「私の会社を、他の会社への見本にしたかった。従来とは違うやり方でもビジネスは立ち行くばかりか、一層機能するという見本に」
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同社製品のサーフィンを背にした
イヴォン・シェイナードさん

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2007年6月11日 (月)

浜寺小学校の同窓会

先日、堺市立浜寺小学校のクラス同窓会があり出席した。我々は、浜寺小学校52期(昭和30年)卒業、61組のクラス仲間である。幹事は佐藤君、藤原君及び梶本さんであった。担任の先生であった村上先生は、17年前の同窓会の時は元気であられたが、今回は健康上の理由で出席されなかった。出席者はクラス56名中、22名で、東京や福岡など、遠方におられる方を考えれば、多い方であった。小学校卒業以来、始めてお会いしたG君、K君、Kさんの姿もあり懐かしく感じた。

我々が学んだ頃の浜寺小学校は自然に恵まれた場所にあり、周囲には田圃や畑が多く、又海に近く、海辺には松林が広がり、毎夏、浜寺水練学校が開かれていた。また、池や小川も多くあり、そこで魚やザリガニ、トンボなどを追いかけ皆で仲良く遊んだものだ。また、春には、浜寺中学校に続く道には桜並木があり、桜見を楽しんだ。しかし、これらの風景で昔の面影をとどめているものは少ない。寂しい限りだ。

同窓会の2次会は、ホテルのカラオケルームで全員楽しんだ。歌われたのは概ね我々の年齢を感じさせるものであったが、歌を聞きながら、時間の経つのも忘れて昔の思い出話に耽った。
Photo

浜寺小学校

ホームページ

の写真を借用
しました。

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2007年6月 9日 (土)

仏師 山田國行さんのこと

大阪市生野区にお住まいの仏師 山田國行さんのところへは、大阪商工会議所の経営相談員をしている関係上、時々お邪魔する。山田さんは、奈良仏師の系譜をひく父の技を継承する2代目の仏師である。奈良仏師と言えば、東大寺の南大門の両脇にある金剛力士像を作製したのが奈良仏師である。

父上からの代から約70年、仏像彫刻(新規製作、古仏修復)に従事されているが、山田さんは、主に修復を手がける仏師である。修復・修理といっても文化財クラスの仏像の修理になると、その仏像の製作年代、技、材料等に忠実であらねばならず、そこに仏師としての技と細心の注意が求められる。山田さんはこれまでに1,000体以上の修復・修理経験があるという。仕事の多くは、寺院や仏壇屋経由の仕事であるが、将来的には、ホームページを活用した受注もされたいとのことである。

仏像を修復するには、心の安らぎが必要であると思うが、山田さんとご一緒していると、仏像と日常、対峙されているからか、不思議と哲学的なお顔立ちの中に安らぎを感じさせるものが宿っているように思われる。仏像彫刻もモノ作りの一種である。この技を是非、後世に伝えて欲しいものだ。

因みにこれまでに修復されたものの中には、平成4年「金剛力士像」(2.4M)、平成年「大国天像」(1.8M)がある。現在、日本美術工芸会員、平成8年には大阪府知事賞を受賞されている。仏像彫刻のことで、何かお尋ねする場合は、山田さんの方にご連絡下さい(電話:06-6757-3319)。

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お仕事中の
山田國行さん

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修復中の仏像

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山田さん製作の
花台

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2007年6月 1日 (金)

渡辺貞夫 クインテットを聴く

先日、関西学院会館レセプションホールで開催された、渡辺貞夫 in K.G. 2007 を聴きに西宮の関西学院大学へ行った。渡辺貞夫さんについてはテレビで何回か、その演奏を観たことがあるが、実際の演奏を聴いたのは初めてであった。音楽のことは、何でも好きであるが、どちらかと言えば、クラッシクやポピュラー、フォークソングあるいは演歌などが好きで、ジャズについては余り興味がなかったが、聴いてみて、渡辺さんのサックスフォーン、フルートを中心として、ピアノ、ドラム、バス、パーカッションから成る演奏の迫力に圧倒された。また、これが音楽の原点だなあと感じた。演奏者5人の内、渡辺さんを含む4人は日本人で、いずれも日本一流のミュージシャンである。演奏者の残りの一人は、パーカションの担当で、セネガルから来日し、現在、日本を舞台に活躍している。

渡辺貞夫氏は、現在、74歳であるが、非常に若々しくエネルギッシュである。演奏の間に見せる笑みは大変親しみを感じさせる。同氏は、日本を代表するトップミュージシャンで、ジャズの枠に留まらない独自のスタイルで世界を舞台に活躍。2005年”愛知万博”では政府出展事業の総合監督を務め、世界中から集まった400人の子供達との、国境や文化を越えた歌とリズムの共演という長年の夢を実現させ、話題を呼んだ。

今回の演奏会はチャリティーコンサートで、収益金は、関西学院難民学生支援奨学金に寄付されるということだ。同氏は、1995年の阪神大震災の時、犠牲者を追悼し、また被災者に元気を取り戻してもらいたい、という趣旨で、それ以降何回も神戸を訪れている。誠に立派な方である。
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演奏会のプログラム
の表紙

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