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2007年6月20日 (水)

労働生産性の国際比較

社会経済生産性本部が2006年版「労働生産性の国際比較」を発表した。それによると日本の労働生産性はOECD加盟30ヶ国中第19位、主要先進7ヶ国間では最下位である。なお、第1位はルクセンブルグ、第2位は米国であった。しかしながら、日本の製造業の労働生産性は、OECD加盟国でデータが得られた24ヶ国中第3位で主要先進7ヶ国でみると、米国に次ぎ2位となっている。このような統計を根拠に、経済界からホワイトカラーの働き方の改革を求めて、一部の会社員を労働時間規制から外すホワイトカラー・エグゼンプションの論議が昨年の末、活発となった。

労働生産性とは、各国が生み出した付加価値の総額である国内総生産(GDP)を全就業員数で割って算出する。日本の労働生産性が低いのは、就業率が相対的に高いことや、非製造業部門の労働生産性が比較的低い水準にあることなどが要因に挙げられる。5月23日の朝日新聞の記事によると労働生産性を決める要因は様々ということだ。

例えば、①情報通信技術への投資が増えると一人当たりの生産性は上がる。日本は上位の国々よりも、情報通信技術への投資が少なかった。非正規雇用の拡大も影響している。日本の就業者数に占めるパートの比率は00~04年の平均で24.8%(OECD加盟国中3位)。日本のように正社員より賃金がかなり低いパートに、労働意欲の向上を求めても無理というものだ。働いても生活保護の受給額よりも少ない賃金しか得られない労働者も多い。生産性向上を目指すなら、先ずは労働環境の改善策を考えるべきである。正社員とパートの格差が小さいオランダはパート比率が日本より高いのに、1時間当たりの労働生産性は上位に位置する。業種間の生産性のバラツキも影響する。我が国では、前述の様に、製造業が生産性が高いが、従業員数で多くを占めるサービス産業、建設業、卸小売業、農林・水産業などは生産性が低い。

ただ、サービス産業の生産性の低さには日本における無料サービスの品質の高さがあるので、一概にサービス産業を責めるわけにはいかない。不親切な社会になればサービスにお金を払う人が増え、生産性が上がるかもしれないが、このような社会も考えものだ。

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