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2007年8月

2007年8月25日 (土)

熊野三山・紀伊勝浦に遊ぶ

先日、長い間の念願であった熊野へ家内と一緒に行って来た。
熊野へ行く前日は紀伊勝浦に泊まった。その日はあいにく激しい雨が降り停電のためJR線が遅れた。到着後、紀の松島巡りの遊覧船に乗りクルージングを楽しんだ。雨模様のため景色の方は今ひとつだったが、Dolphin baseではイルカの訓練風景を楽しんだ。


翌日は打って変っての好転だった。写真(1)は朝早く、宿泊したかつうら御苑から熊野方面を撮影したもので、中央の山の中腹辺りに白い一条の線が見えるのが那智の滝である。神武時代以前から、この那智の滝は航路標識の役目を果たして来たという。
また、この近くには捕鯨発祥の地、太地くじら浜公園がある。秦の始皇帝の命を受け、不老長寿の薬を求めてやってきた徐福が当地にとどまり捕鯨を伝えたと言われている。

紀伊勝浦駅を降りると佐藤春夫の詩碑があり、秋刀魚の歌が刻まれている様に、勝浦は漁業が盛んであり、勝浦港は全国有数のマグロの水揚げを誇る。写真(2)は、朝早い魚河岸でマグロが並びセリを待つ風景である。


熊野三山は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社から成るが、写真(3)は熊野本宮大社である。全国3600熊野神社の総本宮だけに厳かな感じがする。明治の大洪水で被害を受け、現在の地に移転されたそうだ。


写真(4)は熊野古道(大門坂)である。ちょっぴり修験者の境地を味わった。



写真(5)は、最も今回の旅で楽しみにしていた那智の滝である。高さ133Mの断崖から落下する水しぶきは雄大であり、神格性を感じさせる。ナイヤガラの滝とは全く別種の神秘性を持つ。大変感激した。

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写真(1)

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写真(2)

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写真(3)

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写真(4)

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写真(5)

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2007年8月23日 (木)

畳・襖のTTNコーポレーション様との会合

8月20日、兵庫県伊丹市にあるTTNコーポレーション殿を中小企業診断協会大阪支部 経営情報研究会のメンバー(米田、高田、伊藤、八方、八木)が訪問し、本社・工場を見学をさせて頂き、社長の辻野秀人さん、常務の辻野佳秀さんと長時間に亘って懇談させて頂いた。

同社は、畳工事、襖工事を行う会社で、最近、新聞やテレビで、その活躍ぶりが報じられている。ごく最近でも日経スペシャル「ガイアの夜明け」で放映された。我々の経営情報研究会のメンバーの中にも、「ガイアの夜明け」を観た者がおり、是非とも同社の経営の真髄をこの目で見たいということから、今回、ご無理を言って訪問させて頂くことになった。

工場を見学させて頂いて気がついたのは、整理・整頓が行き届いて、事務所、工場とも活気が溢れていることであった。社長の辻野秀人さんが、社内の風通しをよくするために、諸会合や食堂での従業員の方との自由な会話や電子メールによる連絡、更には意見箱を設置など、色々と配慮されているを言われていたが、活気が溢れた職場の雰囲気もこのような姿勢に関係しているのだなあ、と感じた。

辻野さんからお聞きした同社の特徴的なことは
①商品の標準化及び人の標準化(人質)を重視しているので、全て内製化している、
②飲食店など営業時間に制限のある業界に対しては24時間対応で施工している、
③畳、襖や建具工事、更には白蟻工事なども一括施工している、
④最近、安全性についても、この業界の中で率先してやっており、トレーサビリティを重視している、
等、であり、 同社の優れた側面が窺がい知れる内容であった。

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社長の辻野秀人さん
    と
専務の辻野佳秀さん

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工場風景

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配送車

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ショールーム

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2007年8月19日 (日)

ヘラ絞りの吉持製作所

7月17日、私が大阪商工会議所の経営相談員として日頃、大変お世話になっている吉持製作所(大阪市生野区)を訪問した。この日は、はるばる岩手県から岩手県工業集積支援センター 技術アダバイザーの鈴木さんが商談のために来られていたので同席させて頂いた。鈴木さんは、同じ生野区にある枚岡合金工具㈱副社長 古芝さんの紹介で吉持製作所のことを知り来られたもの。時間の合間に、鈴木さんと私はヘラ絞りの体験実習をさせて頂き、大変貴重な経験となった。

吉持製作所は、ヘラ絞り専門の会社であり、社長の吉持剛志と弟さんの二人で町工場を経営されている。ヘラ絞りは板金加工の一種で多品種少量生産や試作に向いた製造方法だそうだ。ろくろを回転させ、素材の板をヘラで金型に合わせて仕上げていく。その時の力加減がむつかしい。まさに職人芸を要する。プレス加工の場合は何工程も要するがヘラ絞りの場合は一工程で済むのでより安価に製品ができるのが特徴だ。
製品としては、照明用反射板(例:ダウンライトという照明器具用)、自動車のカーブミラーなどがある。

このような職人芸ができる人が年々減少し、ものづくり日本を支える技術がひとつ消滅することが懸念されるが、いつまでも生き残って欲しいものだ。吉持さんも後継者がいないのは残念だと言われている。誰か若い人がいればいいのに、と時々口にされている。

吉持製作所は、元々は大手関連企業の下請けに甘んじていたが、それらの企業の海外移転に伴い、受注が激減。そこで活路開拓のため独自製品の独自営業に転換ホームページを通じてのネット販売を始めた。現在では更にブログを上手く活用し情報j発信を続けた結果、全国的に名前が知れようとしている。最近では、同社の噂を伝え聞いて日本各地からの訪問客が絶えない。
吉持さんは地元の異業種交流会フォーラムアイのリーダー等を勤められており、大阪の中小企業を元気にするための活動に大きく貢献されている。

吉持製作所
 ・ホームページ 
  ・ブログ

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同社製品の例:
照明用反射板
(ダウンライト)

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左より

鈴木さん
古芝さん
吉持さん

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ヘラ絞りの
作業風景
(吉持さんの弟さん)

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ヘラ絞り体験中の
筆者

   

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2007年8月15日 (水)

会社を愛せるかどうか

◆日本人の会社への帰属意識は世界の平均的なレベルに比べて高いと思われる。この帰属意識の高さが仕事をする場合の当事者意識の強さにつながり、モノづくりの面での日本企業の品質レベルの高さに反映されていると考えてよさそうだ。

最近、日本企業における品質上のトラブルが目につくが、これを差し引いて考えても、そのように何とか言えるであろう。

◆帰属意識が高いということは愛社精神が強いとも言える。この愛社精神というものは、他人から教えられたり、会社での教育によって芽生えるものではなく、個人の内面から湧きあがるべきものである。

ここで会社を愛するということに関して心温まる話を紹介したい。私の知人の会社のことだが、経営者から聞いた話ではなく、そこで働いている従業員の方から聞いた話であるので真実性がある。

その会社のある従業員が、病気を患い、数ヶ月休暇を取らざるを得ない状態にあった。彼は自分が休暇を取ることにより、会社に迷惑をかけることになるので、退職を申し出た。しかし会社を退職することにより、生活が不安定になり妻子の生活が脅かされるような事情があった。
このような事態に感ずいた社長は、辞職願を却下し、彼が病気の療養に専念するように言い、療養中の給料は全て支給すると共に、彼が療養中は、他の社員が彼の仕事を分担してカバーするように取り計らった、他の従業員の人も喜んで彼の仕事を分担した。かくした後、彼は、健康を取り戻し職場復帰し元気に働いているという。

このような思いやりのある経営者がいて、社員同士のコミュニケーションが良好な職場環境の下では、愛社精神も自然と芽生えてくるのであろうと私は思った。

◆愛社精神と類似したものに愛国心があり、最近、愛国心という日本語がメディアを賑わせている。
塩野七生氏は、文芸春秋の記事「日本と日本人への10の質問」の中で、次のように述べている。「愛国心は結構ですが、愛国心教育というものが可能なのか、私は疑問に思っています。中略。教室で教師がどのようにして教えるのか。愛国心は人間の心の外側から与えられるものではなく、内面から湧きあがるべきものではないでしようか」と、

また、山崎正和氏は同じ文芸春秋の記事「私の道徳教育反対論」の中で、道徳には「取引の倫理」と「内面の倫理」があり、愛国心というのは「内面の倫理」に属するものである。価値観が多様化している現代社会では、道徳の内容さえ揺らいでおり、誰もが納得している道徳というものはないので教えるのは難しい。教えられるのは前者の「取引の倫理」だけだと述べている。取引の倫理とは、法的なルールである。即ち、同氏も愛国心の教育は難しいと結論付けられている。

両氏の述べられていることは尤もなことのように思われる。

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