ヘラ絞りの吉持製作所
7月17日、私が大阪商工会議所の経営相談員として日頃、大変お世話になっている吉持製作所(大阪市生野区)を訪問した。この日は、はるばる岩手県から岩手県工業集積支援センター 技術アダバイザーの鈴木さんが商談のために来られていたので同席させて頂いた。鈴木さんは、同じ生野区にある枚岡合金工具㈱副社長 古芝さんの紹介で吉持製作所のことを知り来られたもの。時間の合間に、鈴木さんと私はヘラ絞りの体験実習をさせて頂き、大変貴重な経験となった。
吉持製作所は、ヘラ絞り専門の会社であり、社長の吉持剛志と弟さんの二人で町工場を経営されている。ヘラ絞りは板金加工の一種で多品種少量生産や試作に向いた製造方法だそうだ。ろくろを回転させ、素材の板をヘラで金型に合わせて仕上げていく。その時の力加減がむつかしい。まさに職人芸を要する。プレス加工の場合は何工程も要するがヘラ絞りの場合は一工程で済むのでより安価に製品ができるのが特徴だ。
製品としては、照明用反射板(例:ダウンライトという照明器具用)、自動車のカーブミラーなどがある。
このような職人芸ができる人が年々減少し、ものづくり日本を支える技術がひとつ消滅することが懸念されるが、いつまでも生き残って欲しいものだ。吉持さんも後継者がいないのは残念だと言われている。誰か若い人がいればいいのに、と時々口にされている。
吉持製作所は、元々は大手関連企業の下請けに甘んじていたが、それらの企業の海外移転に伴い、受注が激減。そこで活路開拓のため独自製品の独自営業に転換、ホームページを通じてのネット販売を始めた。現在では更にブログを上手く活用し情報j発信を続けた結果、全国的に名前が知れようとしている。最近では、同社の噂を伝え聞いて日本各地からの訪問客が絶えない。
吉持さんは地元の異業種交流会フォーラムアイのリーダー等を勤められており、大阪の中小企業を元気にするための活動に大きく貢献されている。
同社製品の例:
照明用反射板
(ダウンライト)
左より
鈴木さん
古芝さん
吉持さん
ヘラ絞りの
作業風景
(吉持さんの弟さん)
ヘラ絞り体験中の
筆者
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