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2007年12月 9日 (日)

企業が社会的責任を果たすためには?

今年も、企業の不祥事報道や品質不良に関する報道は留まることを知らない。ガス給湯器のパロマ社、建設業界の某社、不二家、ミートホープ、白い恋人の石屋製菓、赤福、等食品メーカーによる偽装、改竄などの不祥事だ。

日本企業の品質の高さは、我が国が世界に誇るもののひとつである。これら不祥事を惹き起こした企業が存在するからといって、日本の誇る「品質の高さという信用」は容易には瓦解はしないと思う。なぜならば、大部分の企業においては、日本人特有の細やかさや、当事者意識の高い従業員に支えられたものづくり文化が現在に至るまでも営々と続いているからである。

不祥事をおこした企業においては、創業者の時代は、自社がつくった製品に対する並々ならぬ品質向上への意欲、お客さんに喜んでもらうものをつくろうという意欲が大層強かったということは言うまでもなかろう。それが2代目、3代目となり、そのような創業時代の家風や、社是が引き継がれず、このような事態が起こってしまったことは残念なことだ。

これらの不祥事の発覚の多くが内部告発によるものだと言われている。そもそも内部告発と言うものが生まれる企業風土が問題である。本来ならば、このような内部告発がおこらないように、社員誰でもが、不正なことに対しては、たとえ相手が社長であっても自由に物が言え、それによって不当な扱いを受けないような雰囲気が必要なのだ。

会社というものは良くも悪くも経営者が持つ「影響力」により、社員の感情、生産性、更には会社の業績までも大きく左右される。
社員から見て信頼できない行動をする経営者、社員に対して高慢で、攻撃的な行動が多い経営者の下では、社員は真面目に働こうとする意欲を失い、また、社長からの攻撃や批判をかわすことに神経を使い、現場の貴重な意見や情報が入らなくなり、イエスマンのみが社長の周囲を取りまき、会社が弱体化する。当然の結果として、品質不良や不祥事が生じる。


今日、朝日新聞の記事「“みやび”の行く末 不安です」の中で、冷泉家当主 冷泉為人さんが述べていた次の言葉が印象に残った。 (冷泉家は藤原俊成、藤原定家の父子を祖にし、和歌の伝統と文化を伝えてきた。「和歌の家」と称される。)

  “京都の旧家で聞いたのですが、「商売でも自分の代でうまくいくのは、せいぜい5、6年。調子に乗って一生もうけようとせず、残りの人生、もうけた分でやっていけ。両手で握ったらあかん。片手は開いたままにして、何かあったら直ぐ別のものを握れるように」と。うわあ!、これはすごい家訓や!と、びっくりしました”

企業においても、ある程度会社が大きくなった時は、それ以上大きくすることは、ひとまず一段落させ、少し立ち止まって、製品の品質を上げるとか、職場環境を良くして従業員が働きやすくする、更には社会に利益を還元する、などのことが必要なのだろう。

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