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2008年1月15日 (火)

日本のモノづくりを支える日本人の特性(その1)

私の過去のブログ記事(2007年12月16日付“近江商人に学ぶ”及び12月19日付“関西に多い老舗企業”)で、野村進氏の“長寿企業は日本にあり”の内容を紹介させてもらったが、その中で野村氏が引用されていた書籍に、「縮み志向の日本人」というタイトルの書籍がある。著者は韓国の比較文化論者である李御寧(イー・オリョン)氏である。

この書籍は25年程前に書かれた本である。私も当時、そういう本があったことを覚えているが、その時はあまり気に留めなかった。しかし今回、この改訂版を読んでみて著者の鮮やかな説明に魅了された。

野村氏は日本企業のモノづくりにおける特徴として、「丹精」、即ち、モノづくりの際、すみずみまで気を配り、決して手を抜かない、この「丹精」への飽くなき志向を挙げられている。そして、この丹精さに関して、李御寧(イー・オリョン)氏、「縮み志向の日本人」の中で、まさに的確に、それが日本人の特徴であると述べていることが興味深い。

話は変わるが、現在に至るまで、多くの日本人論が、外国人及び日本人によって語られてきた。ルース・ベネディクトの「菊と刀」、ブルーノ・タウトの「ニッポン」、土居健郎の「甘えの構造」、中根千枝の「タテ社会の人間関係」、等である。
しかしながら、李御寧氏はこれらの書籍で述べられていることが、本当に日本人特有のことであるかについて疑問を呈している。これらの書籍で述べられていることは何も日本人だけの特徴でなく東洋人全般の特徴であるものも含んでいると言及している。

そして、世界中のどこにもあったウチワを折り畳んで軽便な、それと同時に表情豊かな扇子にしてしまった日本人は、庭でも建物でも木々でも料理でも、何でも縮ませて、箱庭、茶室、盆栽、折り詰め弁当などを生み出した。この縮み志向こそ、日本人の特異性だとしている。→ 続く

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