たとえ貧しくても心豊かな生活を!
経済的にそれ程恵まれていなくとも心豊かな生活の方がよいのではないかと思うことが多い。仏教国ブータンでは、現国王が提唱したGNH(国民総幸福量-Gross National Happiness)という基準がある。一人単独での幸福はない。他人の幸福があってこそ自分は幸福なのだ、という考えである。ブータンの人達は物質的な欲望や金儲けに対しては貪欲でない。
現在、原油価格高騰により、オイルマネーが世界を席捲している。中東の国、ドバイは人口140万人の小さな国である。人口の80%は外国人が占める。そこでは建設ラッシュが続いており、海を埋め立て椰子の形をした島を造ったり、高さ800Mから1000Mの高層ビルが建設中だ。それらの建設に従事するのは、外国人の多くを占めるインドやパキスタンからの貧しい出稼ぎ労働者だ。彼等の稼ぎは、僅か1日2ドルだ。その一方では、裕福な生活をしているドバイの人の存在がある。まさに極端な格差だ。
ドバイ政府としては、石油がある内に、世界の金融資産、不動産を買収し、また、教育や文化を育成しようというつもりなのだろう。
しかし、実体のない富の蓄積はいずれ消滅するだらう。製造業のような地味な産業を興さなければ国づくりは難しいものと思われる。かって、日本でも「金儲けが何故悪いのですか」と言った人がいたが、あぶく銭を基に国づくりをすることは不自然であり、当然の結果として、人材が育たない。市場経済至上主義の矛盾はここにも現れている。
ブータンとドバイ、どちらが人間的に豊かであるかは明白だ。
(八木芳昭)
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