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2008年2月

2008年2月25日 (月)

最近のアメリカ大統領選挙の状況

接戦を繰り広げてきたアメリカ大統領選挙は、ここに来て、オバマさんがヒラリーさんをリードしつつある。

私自身、この二人の候補者の政策がほぼ同じであり、どちらが勝利するにしても、ブッシュ現大統領の悪政に終止符を打ってくれるだろうという期待感があるので、どちらも勝たせてあげたい気持ちだ。

オバマさんを押し上げているのは若年層の政治参加だと言われている。2月23日付の朝日新聞の記事によると、ネットを駆使した草の根活動が全米を覆い、20代前半の投票率は各地で急上昇と伝えている:

ある州のある大学では、仲間を集めオバマ応援団を結成。各州出身の学生が友人などの人脈を使い、予備選挙や党員集会が開かれる州を狙い撃ちして支持を広げている。

メンバーの半分はひざの上でパソコンを開く。仲間との情報交換から勧誘まで、日本のミクシィと同様なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用しているのだという。

オバマさんが若者を巻き込むカギは「参加意識」だという。「ヒラリーの演説は『私に投票すれば全て面倒を見ます』)、オバマの演説は『私に投票して一緒にやろう』と聞こえる」のだそうだ。政策の中身も必要だが、政策実現への「参加」こそ若者達は求めているらしい

また、年配の民主党支持者は、同党伝統の大きな政府を信奉し、国民全員加入の医療保険制度を主張するクリントン氏に親近感をおぼえるに対し、若者は、米国のイメージを回復させたい、失われた米国の建国理念を取り戻したい、という気持ちでオバマ氏を支持しているのだという。

オバマさんの手法は、企業経営でよく言われる「働く人の参画意識の必要性」と通じるところがあります。

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2008年2月23日 (土)

樹木を通じた課外授業

核家族化しつつある現代社会において、子供の教育は切実な問題である。学力はさておき、最も重要なのは、子供を、感情豊かで、人を思いやる人間に育てることだ。

NHKの番組「課外授業」で、樹木医、 塚本こなみさんが、子供達に樹木をやさしく見守ることの大切さを教えている様子を見て大変感激した。子供教育の一つの方法だと思った。

塚本さんは、女性で初めて樹木医という資格を取得された人である。結婚後、造園家であるご主人の仕事を手伝っていたが、樹木医の資格を取得。日本各地の緑地事業や古木・巨樹の保護・治療、移植に取り組んでおられる。

塚本さんのことについては、次の資料がネット上で見つかったので添付するのでご覧頂きたい。     http://www.koyoerc.or.jp/interview/64.htm

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課外授業では、子供達に校庭にある木の中の一つをMy Tree(私の木) として選ばせる。そして、物言わぬ樹木に向かい合って話しかける。

例えば、元気ですか? 何か悩みごとはないですか? 今日は天気がよくてすがすがしいですね。等・・・・・・・

更に数ヶ月、同じ木を観察し続ける。木が季節の移り変わりなどで何か変化したり、あるいは、木の一部が枯れてきたりする、ことなどを日記に書く。

このような観察を通じて、子供達に木を思いやる(自然をおもいやる)気持ちが次第に芽生えてくる。番組では、この様子がリアルに描かれていて興味深かった。

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塚本さんの専門とするのは、新しい樹木を植えるのでなく、一度植えれた樹木のアフターケアだ。これは人間にも当て嵌ることだ。

塚本さんの依頼主は「この木が枯れたら私もしんじゃう」というくらい、自分の人生をその木に賭け、大変強い思いを持っている人が多いと言う。

また、木の性質は一本一本全て違う。植えられている場所も違う。それぞれの特性を見極めることが大切だとも、塚本さんは述べている。

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最後に、私としても、植物や動物との対話を通じて、子供達に情緒豊かな人間になってもろうことも、教育の一つの選択肢として有用だと感じた。

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2008年2月19日 (火)

アメリカ大統領選挙(改訂版)

バルク・オバマとヒラリー・クリントンが民主党大統領候補をめぐって激しい接戦を繰り広げている。

どちらが大統領になっても、史上初めての黒人大統領、あるいは、史上初めての女性大統領となり、何らかの変化を与えてくれるという期待感がある。

そして、双方とも、ブッシュという、世界の安定と平和を求める政治理念をもたないエゴ丸出しの現大統領と比べると、はるかに政治理念が崇高であり、善政を行ってくれるであろうという期待感を持てる。

ソビエト連邦が崩壊し、東西の冷戦が終わったのは良いが、これを資本主義が共産主義(社会主義)に勝利したと解釈し、それ以降、資本主義体制が最も良い体制だとする考えが資本主義の驕りにつながり、多くの社会問題を惹き起こしている。(注:ソ連の共産主義(社会主義)はいわゆる全体主義で、個人の自由と尊厳を認めない偽の社会主義であったが)


市場原理主義への妄信、企業は株主のものだという愚かな考え、社会的な責任は無視しても金儲けが第一だ、というようなことが世の中を狂わせている。

このようなアメリカ発信の愚かな流れを新しい大統領は断ち切って欲しいものだ。更に、世界の警察という立場をやめ、他国への干渉をやめ、各国の自主性に委ねる政策を実施して欲しいものだ。イラク戦争は完全な失敗であった。

アメリカでも、建国当時は、完全とは言わないが、ワシントン、リンカーンの様な時代はもう少し純粋な民主主義思想に基づく政治が行われていた様に思う。

また、アメリカが、ナチのファシズムからいわゆる自由主義国を守るため主導的な役割を果たしたことは評価できる。その後、次第にその政策が悪くなって来た。ベトナム戦争、イラク戦争、と。特にブッシュが大統領になってからは特にひどい。

どの国でも、自国の利益を守らなければならないが、それは他国との共存共栄を考慮してのものでなければならない。最近のアメリカは自国の利益優先という立場を鮮明にしている。利益優先主義は、国家であれ、企業であれ、その品格を失わせる。

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2008年2月18日 (月)

人にやさしい病院

家内と一緒に、医療関係のNPO活動準備会に参加している。先日、同じこの準備会に参加されている I さんが、自分が働いている病院の会議室を、準備会のために無料で提供して頂けるべく、院長さんと話をつけて頂いたと、のことで、現地に見学をかねて行って来た。

その病院というのは、大阪、茨木市 彩都にある彩都友紘会病院だ。昨年新しくできた病院で、「人とよりそう開かれた病院」を標榜している。

従来の病院は、無機質な四角四面なデザインであるが、この病院は個性的でかつ優しい雰囲気にデザインされている。屋上には天文台があった。これは「月や星の天体は人の心を癒す」との考えに基づき設置されているのだという。

この病院は総合病院であるが、特にがん治療に注力した病院で、内視鏡手術、放射線治療、化学療法、緩和ケアなど、を行っている。

訪問した当日、地域の人のための無料のセミナーが開かれていたので聴講した。内容は「乳がんに関する知識」であった。70人位の人が聞いていた。勿論ながら殆どは女性だ。

日本においては、乳がんが増加傾向にあり、女性の20人に一人が罹病しているという。しかし、早期に発見すれば助かるということで、定期的な検診の必要性を強調されていた。

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2008年2月17日 (日)

芥川賞作家川上末映子さん

芥川賞作家、川上末映子さんの小説「乳と卵」を読もうと文芸春秋3月号を買ったら、作品と一緒に“受賞者インタビュー”が掲載されていたので読んだ。1976年生まれの31歳という若さながら、その生き方や文学に対する真剣な考え方に感心させられた。

大阪生まれの彼女は人生経験が豊富だ。高校卒後、書店員、歯科助手、クラブホステスなど様々な職業を経験後、歌手を経て、作家デビューした。

本が一冊もなかった家に生まれたので、最初は国語の教科書を精読。そこで興味のある作家ができると、学校の図書館に行き、他の作品を貪るように読み、読書量を増やしていったという。

大阪市立工芸高校でデザインを学ぶ。卒業後、今はなくなった心斎橋の書店で昼間は書店員、夜は北新地のクラブホステスとして働くが、同時に日大文理学部の通信教育で哲学を勉強をし、また、バンド活動もしていたという。

クラブホステスといて働いたのは、弟さんの学資を出すためだという(弟さんは全国レベルの有能なラクビー選手だった)。

「姉が働いて弟の学資を出す。20年前ならいざ知らず、最近では珍しい話ですね」という文芸春秋記者の質問に答え、彼女が、この若さで、次のように答えているのが、じんと胸にせまる。

「世の中、自分のためだけに働いている人は少ないですよね。みなさん、奥さんとか子供さんとか、自分以外の誰かのために働いている。それが私の場合、たまたま弟で、たまたま年齢的に早かっただけ。男やし、面と向かってありがとうとは言わへんけど、弟が感謝してくれているのは分っています」と

通信教育で哲学を勉強をしたことが、彼女の文学の現在の姿を築きあげたらしい。
俗っぽい書店員やホステスの仕事をしながら、哲学という崇高な観念に没頭できた理由として、彼女は次のように述べている。

「人は、誰しも当然のこととして、脳の中の意識と、具体的な存在である体という全く別物を抱えながらやってのけるわけで、そこに特別なボーダー(境界)は感じませんね。哲学的な思索をしていてもお腹は減るよね、ということですかね」と、いとも軽妙に答えているのが面白い。

因みに、今回の受賞作品「乳と卵」は樋口一葉へのオマージュだということだ。「たけくらべ」との共通性が多く見られるという。

   注:オマージュとはフランス語で、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を
      創作することを言う。


この受賞者インタビューを読んで、文学を批評する能力がない私であるが、彼女が芥川賞を受賞されたことは妥当だと漠然と思うようになった。

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2008年2月15日 (金)

紀行(松江城と小泉八雲記念館)

2月某日、みぞれが降る寒い日だった。

◆堀川めぐり船:松江に着き、深紅のカラーを基調とした美しい観光遊覧バスに乗り、堀川めぐり船発着場へ。堀川遊覧船は10人程度が乗れる小船で、我々夫婦の他は若いカップル一組だけだった。

この遊覧船は平成9年頃に始まったばかりだというが、人気を呼んでいる。現在、
100隻ほどあり、約70名の船頭さんはシルバーボランティアだそうで、中には女性の船頭さんもいるという。

こたつ付きの小船に乗っての観光は風情があり、縄手通りを始めとする松江の街並みや松江城の風景を充分楽しんだ。

この遊覧船の出現は、松江の活性化に大いに貢献しているものと思われる。

◆松江城:松江城は、全国に現存する12天主の一つである。堀尾氏、京極氏の後、徳川家康の孫にあたる松平直政の居城となった。6階にある天守閣に登り、宍道湖方面を眺望する。素晴らしい眺めだ。

◆小泉八雲記念館~小泉八雲旧居~武家屋敷

小泉八雲はアイルランド人の父とギリシャの母との間に生まれた。2歳で、アイルランドに移り、大叔母に引き取られる。7歳の時両親が離婚し、16歳で左目を失明、大叔母の破産も重なり、19歳でアメリカに渡る。

アメリカでは文学を嗜み、文才を認められ新聞記者になる。そして
39歳の時、記者として來日。松江で教師の職を得た。その後、小泉セツと結婚。その後、八雲は熊本から東京へ移り、東京でなくなるまでの14年間を日本で過ごした。

アメリカ時代から日本文化に深く魅せられ、憧れの日本に来た八雲であったが、松江在住は僅か13ヶ月、その間に多くの松江に関する著作を遺したことは大変な驚きだ。左目を失明、右目は極度の近視であったことが、このような膨大な著作に集中せしめたのかもしれない。


「雪女」などの作者として有名になった八雲の功績は、当時の西洋人としては、珍しく日本に対する偏見がなく、むしろ過ぎるほど好意的な目で当時の日本を広く世界に紹介したことだ、と言われている。


小泉八雲旧居は、八雲の居間、書斎、セツ夫人の部屋、それらを取り囲む庭が観覧の対象である。この庭は、作品「知られぬ日本の面影」の舞台となったそうだ。



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堀川遊覧船
から松江城
を眺める

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小泉八雲記念館

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小泉八雲旧居

小泉八雲が
使っていた
机と椅子

小柄で眼が悪い
ので、机に顔を
非常に近づけて
著作に励んだ
という。

日本庭園が
見える

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紀行(足立美術館)

2月某日

足立美術館は、世界的にも名高い美術館だ。
安来節で知られる安来市の南郊に建つ。

横山大観のコレクションと日本庭園で名高い。なぜこのような片田舎にあるのかと思ったら、創設者の故足立全康氏が郷里への恩返しにと長年集めてきた美術品をもとに昭和
45年に開館したという。

足立氏は、植栽の松や石を全国を回って自分の眼と足で蒐集した。また、幼少の頃から絵が好きだった彼は、終戦後、心斎橋の焼跡バラックで大観の「蓬莱山」が8万円で売られていたのを見て感動、しかし当時、そのような大金がなく買うのを断念、この時から蒐集意欲が勃然として湧き起こったという。

そして91歳で亡くなるまでの生涯を、庭づくりのための蒐集と絵画蒐集に注いだ。因みに、米国の日本庭園専門誌「Journal of Japanese Garden」は2003年から2007年にかけて庭園ランキングを発表し、足立美術館の庭を日本一に認定している。

印象に残ったものは数多いが、特に印象に残ったものを下記に記す。


 ◆庭園

   ◇枯山水庭園
     ◇白砂青松庭園

 ◆絵画

◇横山大観:

 「春風秋雨」:桜が儚く散る春の風景と紅葉が秋雨に激しく
            打たれる光景
を武士の人生に例えて描いたと、

                 言われている。

   ◇勝田哲:
    「夕べ」:   
夏の夕べ、縁側で化粧をする女性を描いている。 

           淡い素朴な色調が美しい。

        
足立美術館には、多くのスタッフがいて、毎朝、枯山水庭の砂掃き、一年に10回の木々の剪定、芝の刈り込み、などを行っている。

お客さんに満足してもらうために細心な維持管理を行っていることが窺いしれた。

JR安来駅は安来節や足立美術館、清水寺、等の誇るべき文化財を持ちながら、これらが充分宣伝されていず、淋しさを感じさせる駅だった。地域を活性化する工夫に欠けているようだ。

  注:絵画は、インターネットの画像を流用

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枯山水庭園

Photo

横山大観
「春風秋雨」

左:紅葉
右:桜

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勝田哲:
「夕べ」

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白砂青松庭園

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2008年2月14日 (木)

紀行(鳥取県境港界隈)

2月始めの休日、家内と一緒に、小旅行に出かけた。行き先は、鳥取県米子を基点とした地域。この時の紀行を下記の3回に分けて記す。

第1回:境港界隈、第2回:松江城と小泉八雲記念館、第3回:足立美術館

・・・・・・・・・・・・・・

第1回:鳥取県境港界隈


米子駅より境港までのJR境線の駅名は、弓ヶ浜や中浜など全て海に因んだ名称で、水木しげる作品の妖怪、「鬼太郎」等の名称が併記されている。当日は日曜日であったので、終点駅近くにある水木しげるロードに向かう親子連れが多く見られた。

沿線の景色は、米子を出てしばらくは都会とあまり変わらぬ風景で、住宅が密集していたが、次第に農村風景が広がる。境港に着いた時は、列車の遅れでスケジュールが厳しかったので、タクシーに乗り境港水産物直売センター向かう。

そこでは十数軒の店が昔ながらの市場らしい雰囲気を保ち、多くの客がいて活気があった。紅ズワイガニ、松葉ガニ、さば、太刀魚、たこ、貝、などが売られていた。

娘夫婦の土産に蟹を買う。まだ若いタクシーの運転手さんは、大変親切に案内をしてくれた。彼の話によれば、地元の人には漁業専従者が少なく、半農半漁で、所有しているのも小船で、主として貝、たこ、さば、太刀魚などの魚を採り、蟹は大手の大きな船を持っている業者が漁獲していると言っていた。


何年か前に、水木しげるの出身地ということで、街おこしが始まり、現在、「水木しげるロード」といわれる通りが、境港駅から約800M続き、120体の妖怪ブロンズが並んでいるという。この水木ロードが出来る前は、淋しい漁村風景であったとのことだ。

皆生温泉へ向かう途中、井上靖記念館(アジア博物館の中にあり)に立ち寄る。

井上靖はシルクロードに興味を持ち「敦煌」「楼蘭」等の著作を遺している。司馬遼太郎との共作もある。かれは青春時代、柔道に没頭していた時期があり、柔道の山下選手と一緒に撮った写真も見られた。


皆生温泉に到着。「東光園」というホテルに宿泊した。「東光園」は弱塩類泉と弱アルカリ泉の二つの温泉と素晴らしい庭園を併せ持つホテルだ。

皆生温泉は、温泉町という風情は乏しい。昔ながらの旅館が大きなホテルに建て変わり、土産物店や娯楽設備が内部に整っているため、宿泊客が出歩かないためだ。


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境港水産物
直売センター

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水木しげるロード
にある
「水木しげる
記念館

 

            

                                                                               

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井上靖記念館

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2008年2月13日 (水)

画家 「井上晴雄さん」の個展

絵画についての鑑賞眼を持たない私であるが、先日、井上晴雄さんという若き画家「素朴な日本の旅風景」という主題で個展を開催されていたのを見る機会があったので、拝見させて頂き、その素晴らしさに魅了させられた。

(個展は大阪市、地下鉄今里駅近く、㈱かね善1Fギャラリーで、2/12-2/13の間、開催されている。
  私は時々この近くの大阪商工会議所支部に仕事に来るので、個展を見る機会に恵まれた)
うことだ。

井上さんは若干30歳、水彩画家として活躍され、2008年版 美術年鑑に掲載されている画家である。旅行添乗員及びライターとしての経験もお持ちである。

彼のホームページに自己紹介文があるので、下手に紹介するより、それを読んで頂く方がよいので引用させて頂く。

「私は、“日本の旅風景”をテーマにした絵画を主に制作しています。瀬戸内海の夕暮れ、古い列車の風景ほか、旅先で出会った景観には、光や色彩に溢れる美しさと、歴史が散りばめられています。現代の日本人が失おうとしている自然の豊かさや、心の豊かさを表現していければと思います。今後とも、応援よろしくお願いします」

彼のホームページを見て、その絵の素晴らしさは分かっていたが、実際の絵を見て
更に感動した。

今まで見た水彩画というイメージとは異なり、大変微細で、まるで写真を見るような感じなのだ。また、大型の絵もあり、油絵のような感じもするが、実は水彩画なのである。

また、書き添えられた絵の説明文が文学的な香りを帯びており、これもまた素晴らしい。さすがライターとしても活躍されてきた片鱗が窺える。

ホームページに沢山の彼の作品があるのでご覧頂きたい。



下記は、個展当日、私が撮影した写真である。

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井上さん(中央)

左側はお母さん

右側は
お知り合いの方

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作品
「宍道湖の夕暮れ」

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2008年2月11日 (月)

名ばかり管理職--問われる企業倫理

日本マクドナルドが店長を管理職とみなして残業代を払わないのは労働基準法違反であるとして、裁判所は同社に対して、店長に未払い分の残業代の支払いを命じた。至極当然のことだ。

しかし、日本マクドナルドは、この判決を不服として残業代を支払うつもりはないそうだ。驚くべき企業倫理の欠如だ。同業者の中にはちゃんと適切な残業代を支払っている良心的な会社もある。

ドイツやスエーデンなどの大部分の西欧、北欧諸国では、既に30年程前?から所定の労働時間を越える労働をさせた経営者には、懲罰が課せられている。日本はなぜ同様なことをしないのだろうか?

これは、政府の無策、更には経営者の代表である経団連などの指導力の欠如である。

本来ならば、名ばかりの偽装管理職を作り出し、儲けることだけを考えて、残業代を払わず、働く者の健康と生活を犠牲にするような会社は、社会から厳しく罰せられるべきではないかと思うのである。

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2008年2月 9日 (土)

流れる千年--韓国の食文化を発信

最近、韓流ブームの影響もあり、日本と韓国との垣根が徐々に取り払われるようになって来たのは喜ばしいことだ。

昨年11月、大阪生野区の「大阪生野コリアタウン」に「流れる千年」というお店がオープンした。この店の代表者は洪貞淑さんだ。

彼女は23年間、在日の食文化をはじめとして、広くコリアン文化を伝える韓国食材メーカーに勤めていたが、ここを退職し、現在、生野コリアタウンの街づくりに参画している。

そして、今、ここはかって近くて遠かった日本と韓国を結ぶ橋渡しの役割を果たそうとしている。

私も、昨年末、「わが町クラブ生野」の活動で活躍されているK社社長、Y氏の案内で、ここを訪れた。写真はその時に撮影したものだ。1階には、韓国伝統文化博物館とショップがあり、2階は韓茶カフェとなっており、韓茶、韓酒、韓茶菓が楽しめる。

韓国料理と言えば、キムチとかカルビを連想する人が多い。私もそうであった。しかしドラマ「チャンぐムの誓い」で見た宮廷料理に見られるように、韓国の食文化の歴史は古く、奥深いものがある。

ここは、そのような隣国の文化を深く知ることができる貴重な場所だ。また、近くには異文化交流の家があり、入り口では土産物を販売、奥は韓国風レストランとなっている。

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流れる千年

玄関(上)

韓茶カフェ(下)

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異文化交流の家

入り口(上)

韓国風レストラン(下)

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2008年2月 8日 (金)

NLP的なコーチング

NLPと言っても知らない人が多いと思う。

仲間と一緒に、「組織を活性化させるにはどのようにすればよいか?」という勉強に取り組んでいるが、仲間の一人がある日、「NLPコーチング術 木村佳世子著」という書籍を持ってきて、こんな本が出ている。NLPとは何か? 一度勉強して見ようといういうことになった。

初めて読んだ時はよく分からなかったが、3回程度読んで次第に理解できるようになり、これは仕事や、日常のコミュニケーションにも使えると実感した。

NLP(Neuro Linguistic Programming:直訳すれば神経言語プログラミング)とは、コミュニケーションをする際、言語や非言語(身振りや表情)をどのように使っているかを、心理学、言語学の側面から解析・体系化し、我々誰もが応用できるモデルとして確立したものである。

NLPの良いところは、人間を肯定的存在と捉えていることだ。そして、「こうありたい」という目標=夢を描かせ、最初は漠然とした目標を様々な質問により具体化していく。そして次第に実行可能な目標に落とし込み、最後に、目標が達成できた状態を五感でリアルに想像させ、「できる」「やれる」という確信を持たせる、というものだ。

これだけでは何のことだかよく分からないと思うが、NLPの技法のひとつに、相手とペースを合わせることから相手の人生観の理解が始まる、というペーシングという技法があることを紹介する。

私達は五感(特に視覚、聴覚、身体感覚)で理解の処理をするので、相手の身体の使い方を真似することにより、相手の潜在意識に、「合っている」と働きかけ、「安心できる」とか「理解されている」という信頼感を与える。即ち、相手は「息が合う」「波長が合う」と感じ、コミュニケーションが円滑になるというものだ。

ペーシングの対象としては、表情、姿勢、動作、話し方、話の内容、感情、などがある。

NLP的なコーチングは、企業における種々の改善や個人の目標達成のための手法として利用価値があるものと思われる。

興味のある人は、上記の書籍を読まれることをお勧めする。

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2008年2月 6日 (水)

検査の基本(2)--中国産冷凍ギョウザ事件に思う

前回、中国産冷凍ギョウザ中毒事件について触れ、検査は受注者側と納入者との信頼関係に基づいて、厳しくするか、少し緩和するかが決められるべきだと述べた。

私は、このような事件をきっかけとして中国と日本の友好関係が損なわれはしないかと危惧するものである。 ネットでは一部に中傷合戦が行われているというが、お互い感情的になるのではなく忌憚なく意見を交換してこの問題を解決して欲しいと思う。

その後の調査を総合すると、梱包あるいは流通過程で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入したと報じられている。これがどこで混入したか(中国か日本か)が今後の調査の焦点だという。

これに関連して、思い浮かぶのは中国の食品会社で最近、労働争議が起こっていたという事実である。会社の姿勢に不満をもった人が意図的に事件を惹き起こしたと一部には報じられているが、信じたくないが、しかし考えられうることだ。

従業員満足を経営方針に掲げ、従業員を大切にしている企業では、まず、このようなことは考えられない。従業員の人間性を軽視した(過重労働、低賃金など)経営を続けているといつかは綻びが出る。

従って、検査は何も製品ばかりでなく、製品を作っている人達が良好な職場環境で働いているかどうかもチェックし、もしもそうでなければ改善を求めることを忘れてはならないのだ。

日清食品がJTとの冷凍食品事業の提携話を破棄したということだ。JT側の品質に対する考え方に不信感を持ったためらしい。

これから思い出されるのは、JR西日本の福知山線鉄道事故だ。同じような半官営企業が抱える現場を知らない経営陣の存在が見えてくる。

参考:これはJR西日本の鉄道事故に対する私の過去のコメントです。

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2008年2月 1日 (金)

検査の基本--中国産冷凍ギョウザ中毒事件に思う

今回の事件は、千葉、兵庫両県で昨年12月以降、中国製冷凍ギョーザを食べた計10人が吐き気や下痢などの中毒症状を訴えていたことが分かって発覚した。

この件につき、日経新聞は次の様に報じている。

         社説1 中国製ギョーザ中毒と企業・行政の責任(2/1)

 毒性の強い有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入していた中国製ギョーザの中毒問題は、消費者に衝撃と不安を与えた。中国の食品会社の責任と原因を徹底的に追及すべきなのは言をまたない。中国製食品の安全性が疑問視されている中で、なぜ被害を防げなかったのか。日本の企業や行政の責任と課題も重い。

として、行政及び企業の責任を論じているが、私としては、行政の指導が必要なことは勿論だが、やはり第一の責任は、企業側の対応に問題があると思う。

今回のギョウザは、JT(日本たばこ産業)の子会社ジェイティフーズが、双日食料という商社を通じて、中国の天洋食品(河北省)に生産委託したものを輸入している。そして、それを生協「コープ市川店」に納入したものだ。


JTの記者会見を聞いていると、同社では検査を実施しているものの、今回の生協向けのギョウザの検査は生協側でやるので、自社では十分やらなかったと他人事のように述べている。まるで自社に責任がないと言わんばかりである。

検査の基本は、納入者と受入者との信頼関係の程度により、検査を厳しくするか、少し緩やかにするか、を決めることである。納入者が品質管理を十分やっていないと思えば、検査を厳しく(例えば全数検査)しなければならないし、品質管理を十分やっていると判断すれば、抜き取り検査でやるといった、ことである。

これは、製品の持つ重要性(影響性)によっても左右される。今回の食品のような人の生命に関るようなものについては、最も厳しい検査が行われてしかるべきなのである

従って、商品の受け入れ側としては、納入者(天洋食品)の指導をすることは勿論のこと、納入者の品質管理が未熟だと思えば、その信頼度に応じて適切な受入検査をしなくてはならない。まあ大丈夫だろう、と言ういい加減な態度ではすまされない。

勿論、品質管理には、当初お金がかかる。安くなければ売れないということで、衛生管理を手抜きし、今回のような事件が起こせば、消費者の信頼を失うだけである。

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改善の継続

今年の5月に工場見学をさせて頂いた枚岡合金工具㈱さんを、訪問し2度目の工場見学をさせて頂いた。

最初の工場見学記はこちら→枚岡合金工具㈱工場見学記

同社は経済産業省IT百選に選ばれた小さいながらも優れた会社だ。

2度目の訪問であるが、気づいたことは、最初訪問した時と比べて変化が見られることである。つまり継続的に改善がなされているということだ。見させて頂いたのは主として3S(整理・整頓・清掃)であったが、その根気のある改善活動に感心した。



同社もISO9001を取得しているが、それが多くのISO9001取得企業に見られる形ばかりのISOでなく、それを超えたレベルでの実行を心がけておられるところが素晴らしい。

古芝社長の言う、ゴミが散らばったり、工具が乱雑に置かれていたりして、職場環境が乱れていると人の心が乱れ、製品不良にもつながるという言葉は、同社で聞くと、真実性があり、素直に理解できる。

同社は他社の参考となるようにと、工場見学の希望者を憚ることなく受け入れている。古芝社長によれば、工場見学で他社の人から見られることにより、より良い職場環境が形成されている言う。

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