大河ドラマ「篤姫」が面白い
大阪の本町でデザイン事務所を開いている姉のところを先日訪れた時、NHK番組「篤姫」の話になった。
私:今度のNHKの「篤姫」は面白いので、毎回観ているけど姉さんは観ている?
姉:私も観ている。前回のNHKの大河ドラマは少しむつかしくて、面白くなかったけど、
今回のは、家庭的な雰囲気に脚色されているので面白いよ。
帰宅して、家内に話すと、
家内:今回の「篤姫」は、若い人も年配の人も観ていて評判が良さそう。一番良かったのは、主演に宮崎あおいさんという、馴染みのない女優をもってきたのが良かった。
毎回、NHKは主演に有名な俳優を起用するが、それだと、その俳優が以前出ていた番組のイメージがダブって違和感を感じるが、今回はこのようなことがないね。
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確かに、二人のいうことは確かだと思った。気丈で男勝りであったという篤姫のイメージが宮崎あおいという女優にピッタリで、島津家内の家庭的な雰囲気、篤姫と西郷隆盛
や大久保利通との自由な会話、篤姫と小松帯刀との片思いの恋、更にはジョン万次郎との交流、等々、一部には史実に基づかない?と思われる場面もあるが、
それはそれで、物語として、その時代がどのようなものであったかを分りやすく伝えていると言う点で評価すべきであろう。
ところで、篤姫の将軍家定との結婚は、将軍家から申し込まれた縁談だという。しかし、病弱で暗愚といわれた家定への嫁入りを前に、篤姫はどのように自分自身を納得させたのであろう? 当時の政略結婚の犠牲となったかなしい女性の話でもある。
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今回の「篤姫」の舞台となったのは、幕末である。幕末と言えば、坂本龍馬や勝海舟、西郷隆盛、等の男性の英雄が歴史の舞台に主として登場した。
今回のように、天璋院篤姫や和宮という今まで歴史の表舞台に現れて来なかった女性が登場し、歴史の中でどのような役割を演じてきたかを知る上で、この番組は興味深い。
昨年(平成19年4月)に放送された「その時歴史は動いた」の番組の中で、幕末の日本を救った天璋院篤姫の知られざる戦いが描かれ反響を呼んだ。
思うに、近年、我が国が、外国による植民地支配の侵略戦争に巻き込まれる恐れがあった時が2度ある。最初が、この幕末、二度目が日露戦争である。日露戦争の時は、
幸運にも我が国が勝利したが、負けておればロシア(ソ連)に領土を奪われていたであろう、と司馬遼太郎は小説「坂の上の雲」で述べている。
そして、前者の幕末においては、官軍による江戸城総攻撃が勝海舟と西郷隆盛の会談によって回避された。この回避をもたらした立役者は勝海舟であり、また、今まで歴史の表舞台に出てこなかったが、西郷隆盛への命がけの嘆願をした天璋院篤姫なのだ。
若しも江戸城総攻撃が回避されていなかったら、幕府を支援するフランスと官軍(新政府)を支援するイギリスの代理戦争となり、日本は、両国を始めとする諸外国の植民地支配の餌食になっていたかもしれないのだ。
備考:今回、私は宮尾登美子原作の小説を読んでいない。それがかえって、
原作とテレビドラマとを比較することをしないので、新鮮味を感じたのかもしれない。
しかし、篤姫のことをもっと知りたい好奇心に駆られて、次の本を読んだ:
鈴木由紀子著「最後の大奥 天璋院篤姫と和宮:幻冬舎新書」
歴史の裏舞台で繰り広げられていた様子がわかり、大変面白かった。
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コメント
これまでだとこの話は、大奥とか政略結婚とかドロドロしたものを予想してましたが、意外と前向きなもので好感を持っています。史実の忠実さより、一人の女性の生き様を現代性を加味してデフォルメして描くつもりなのかな?と思って見ています。
それはそれでいいと思います。
これから大奥ですごい争いになるのでしょうが、どう描くつもりなのか心配にはなりますが。
投稿: 追撃コラム 発行人 | 2008年3月23日 (日) 01時08分
追撃コラム発行人様
コメントありがとうございます。
私も、今後の展開には興味があります。
投稿: 八木 | 2008年3月23日 (日) 07時41分