大阪における異文化共生の街・生野コリアタウン
大阪の復活の基になるのは、大阪しかない伝統と歴史だ。
大阪生野区に「コリアタウン」と呼ばれる商店街(御幸通商店街)がある。東西に走る
約500Mの道路の両側には韓国料理の店や、あでやかなチマ・チョゴリの民族衣装店が並んでいて賑やかだ。ここは、近年、韓国・朝鮮人と日本人が共生する街として再生された。
元々この辺りは、5世紀頃、古代朝鮮で高句麗・百済・新羅の三国が鼎立した時代、朝鮮半島から渡ってきた渡来人の集住地であり、百済野とか、猪飼野と呼ばれていた。渡来人は朝鮮半島の優れた文化を伝え、それらが今日の日本文化の源流となっていることは言うまでもない。また、この商店街の中に、御幸森神社があるが、この名前の由来は、仁徳天皇が度々鷹狩のために行幸になったのが由来とされている。
先日、この商店街の中にある「流れる千年」という店を訪れた。2度目の訪問だ。最初は、昨年末、商工会議所の経営相談員をしていた時、「わがまちクラブ生野」の活動で活躍されている旭進ガス器製作所 社長・Y氏の案内で訪れた。
今回の訪問は、クリエイション東大阪にある異業種グループのロダン21で、ひと育成実践塾の代表をされているM・Kさん(私のマイミクでもある)を「流れる千年」の代表者である洪貞淑さんに紹介するためであった。
洪貞淑さんは、お父さんの会社である徳山物産という食材メーカーに勤めていたが、現在は、同じく徳山物産が昨年新たに設立した「流れる千年」の経営を任され、その代表として活躍されている在日2世の女性である。
一方、M・Kさんは、父が韓国人、母が日本人という背景をもっておられる女性で、今まで在日の人達とのコンタクトが殆どなかったので、今後、在日の方との交流を深めたいということで、今回の訪問となったものである。
お二人ともほぼ同世代の女性同士であるので、それぞれの自己紹介や今後の抱負等についての話を、韓茶を頂きながらして、これからの韓国と日本の話に及んだ。
洪さんの話によると、徳山物産の会社の理念は、韓国の食品を通じて日本の人達との理解を深め合うことであり、これまで、韓国の伝統的なもの、韓国の良いものを輸入し、日本の皆さんに紹介する、あるいは製造して日本の皆さんの食卓に届けることをずっとやってきたという。
また、洪さんのお父さんのライフストーリーを読むと、従来はコリアンタウンを訪れるのは韓国・朝鮮の人達が多かったが、88年のソウル・オリンピックや最近の韓流ブームを契機として、日本人が増えて来たという。それも買い物が主でなくて、異文化に接したいという人達が多く来るようになったという。
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私、M・Kさん共々、今回の訪問で、コリアンタウンというのは、単なる一般の商店街でなく、在日と日本人の共生の街であるということ、そして、この街も大阪を元気にする一翼を担っているのだという点で同様な意見だった。
帰途、近くにある徳山物産の異文化交流の家にも立ち寄った。
下記の写真は、流れる千年の玄関及び1階の韓国伝統文化博物館の前で写したお二人の写真である。
参照:過去の記事:流れる千年:韓国の食文化を発信
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コメント
やぎさん、
先日はご紹介ありがとうございました。
洪さんもY社長の話もとってもためになりました。
私って、ほんとに韓国・在日のことを
知らないんだなーとしみじみ。
これから、少しづつ祖国のことを学んでいきますね。
投稿: みよみよ | 2008年4月16日 (水) 10時52分
みよみよさん
コメントありがとうございます。
また、このような機会があれば、
お知らせしたいと思います。
韓国と日本の相互理解のために!
投稿: 八木 | 2008年4月16日 (水) 12時31分