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2008年6月29日 (日)

将来も生き続けるP.F.ドラッカーの経営哲学(その2)

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◆仲間の勉強会で紹介したのは、ドラッガー著「現代の経営」の中の"第Ⅱ部 経営管理者をマネジメントする” についての内容である。

本記事では、その中から“組織文化”に触れた部分を抜粋し紹介する。
すなわち、次の通りである。

◇経営管理者のマネジメントにおいて必要なこととして6つのことが挙げられるが、その中の一つは、組織に正しい文化を生み出すことである。すなわち、組織の性格は、

それを最初に形成した人たちがいなくなったはるかのちにおいても、生き続ける。新しく入ってくる者の姿勢や行動を規定する。組織の卑しい文化は卑しい経営管理者をつくり、偉大な文化は偉大な経営管理者をつくる。

◇「組織の文化」を要約する言葉の中に、カーネギーの墓銘がある。
          「己よりも優れたる者の助けを得る技を知れる者ここに眠る」

目標によるマネジマント(これはドラッカーが提唱したもの)は、経営管理者に対し、何を行うべきかを教える。適切に仕事を組織するならば、経営管理者はその行うべきことを

行いうるようになる。しかし経営管理者をして、それを実際に行わせるものは、組織の文化である。

◇マネジメントが本気であることを示す決定打は、人事において、断固、人格的な真摯さ評価することである。 なぜならば、リーダーシップが発揮されるのは、人格において

であり、多くの人の模範となり真似されるのも、人格だからである。

人格は習得ができない。仕事に就いたときにもっていなければ、そのあとで身につけ る
ことはできない。人格はごまかしがきかない。一緒に働けば、特に部下には、その間が
真摯であるかどうかは数週間でわかる。部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法な

ど、殆どのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。そして、そのような人間を選ぶマネジメントを決して許さない。

組織の文化は、トップマネジメントから形成されていく。
士気の高い組織は、トップマネジメントの士気が高い組織である。組織の文化が腐るのは、トップが腐るからである。   「木は梢から枯れる」。

従って、トップマネジメントへの昇格においては、人格を最も重視すべきである。

◆以上、ドラッガー氏の説く“組織文化”の内容の一部をご紹介したが、その内容は、決して難しいものではない。読んでなるほどと思われるものばかりである。

しかし、この当たり前のことが実際に行われている企業は非常に少ないということだ。 
ごく最近の企業不祥事、NOVA、ライブドアー、グッドウイル、などの例を見ると、これら

の企業が、ドラッガー氏がいう優れた企業とは程遠い企業であり、企業文化がいかに腐ったものであることがわかる。従って、短命に終わった理由は明らかである。

◆今回、ご紹介したのは「現代の経営」の中のごく一部である。
ドラッガー氏が説かれていることは、普遍的なものであり、時空を超えて将来も生き続けると思われる。孔子の「論語」のように!

by yagiyoshiakihttp://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
   
 

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