大阪府吹田市の歴史的文化遺産・旧西尾家住宅見学
吹田市にこのような立派な歴史的文化遺産があるのを知らなかった。実は、マイミクの
穂苅有香さんが日記でこの旧西尾家住宅について書かれていた記事を見て、興味を覚え先日、見学に訪れた。
穂苅有香さんの日記については、彼女のmixi日記(2008/6/8)を是非ご覧下さい。
私の日記に比べて表現が豊かで面白く書かれています。
さて、この旧西尾家住宅であるが、吹田市が歴史的な文化遺産を生かした街づくりを進めている中、平成17年秋から一般公開を始めたものである。
今回は、西尾家に因んだ近代建築界の重鎮である武田五一没70年展(期間:平成20年6月7日~15日)も同時開催されてiいて、無料のボランティアさんが約1時間半にわたって丁寧に案内をして下さり、歴史的な文化の香りを満喫できた。
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◆西尾家は、江戸時代、仙洞御料(せんとうごりょう)の庄屋を代々務めた家柄である。
この西尾家には、江戸時代後半頃より多くの文人が訪れ、明治以降も財界人や文化人と盛んに交流が行われた、とのことだ。
(注)・仙洞御料とは:天皇が退位して上皇になった時の御料(所有地のこと)である。
これは幕府領であり、京都所司代下の京都代官の支配下にあった。
・庄屋:荘園の事務を司った。村落の長のような役目をする者
◆約400年前に建てられた家屋は、約4500㎡の広大な敷地の中に数奇屋風を意識した主屋(しゅおく)、茶道藪内家の指導による茶室、庭園、武田五一が和洋折衷の意匠を試みた離れ、蔵などを配している。
・主屋は、皇室等への献納米の計量などを行った計り部屋や献納蔵などが、当時の
様子を今に伝えている。
・近代建築界の重鎮と言われた武田五一が設計した離れは大正15年の建物。
洋風棟(応接間)と和風棟(居間)があって、渡り廊下で結ばれている。
・その他、西尾家との関係が深かった植物学者の牧野富太郎(吹田くわいを
学術的に紹介した)や音楽家・貴志康一(作品に竹取物語などあり)が
紹介されていた。
◆今回の見学では、上記の離れ以外にも、武田五一が関与した建築物の改造が多く
見られた。欄間のステンドグラス、母屋廊下のカットグラスを使った窓、照明器具、等。
武田五一は関西建築界の父と言われる。ヨーロッパ留学で影響を受け、アール・
ヌボーなど、西欧のデザインを日本に紹介した。東京の帝国ホテルを設計した
ライトとも交流があり、国会議事堂の建設、法隆寺、平等院の修復にも関与した他、
大阪の淀屋橋、水晶橋、肥後橋、渡辺橋、の修復など、多くの建設プロジェクトに
関与した。
◆下記の写真も併せてご覧下さい。
by yagiyoshiaki:http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
「表門」
奥に見えるのは
主屋
「母屋棟:大座敷」
欄間には菊の
盛り上げ彩色
が施されて
いる
離れの渡り廊下
の船底天井
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