加速する「オープンソース化」の流れ
先日、仲間同士の研究会である経営情報研究会で、外部講師として、㈱アシスト 西日本支社 神戸営業所のYさんをお招きし、「オープンソースについて」というタイトルで、講演を頂いた。
Yさんの大変明快なご説明により、オープンソフト化の流れが進行している様子がよく理解できた。
㈱アシストは、コンピュータ用パッケージ・ソフトの販売・技術サポート、教育およびコンサルティングを事業として行って来ており、かってはデータベースソフト「Oracle」等を多く、取り扱って来たが、最近ではマイクロソフト社のマイクロソフトオフィスのオープン化を普及させるべく、オープンソース・ソフトウエアである、OpenOffice.Org のサポートを2007年より開始している。
OpenOffice.Org はワープロ・表計算・プレゼンテーションなどの機能を持つオープンソースの統合オフィス・スイートである。Microsoft office と互換性があるだけでなく、無償で自由に利用することができる。現在、大手企業の一部にこれを利用し始めている企業もあり、いずれは中小企業にも普及していくものと思われる。
近年、OSの分野でLinuxの利用企業が増えてきているが、これと同様な流れが今後、生じるのであろう。
ソフトの業界はマイクロソフトやオラクルという業界の大手が多くのシェアを占め、バージョンアップの度に、ユーザーが買い替えなどにより、不必要と思われるような出費を余儀なくされて来ているが、このようなオープン化の流れはユーザーのために非常に好ましいものだ。
ところで、このアシスト社のことだが、同社は1972年設立、社員数760名、売上高200億円、社長はビル・トッテン氏というアメリカ人である。この方は日本国籍を取得されており、日本人になりきっておられる。日本をこよなく愛し、同社の本社も京都においている。1990年の日米経済摩擦の最中、アメリカの姿勢を厳しく批判したことで有名だ。TBS番組「ブロードキャスター」のコメンテーターを長年務めたので、ご存知の方が多いと思う。
アシスト社の企業理念には次のように記載されている(同社のホームページ参照):
「アシストの使命は、ソフトウエア製品とサービスの提供を通じて、人々や社会の人の役に立つ会社になること」
そしてビル・トッテン氏は更に次のように述べている:
アシストが目標に掲げるのは、マーケット・シェアや四半期ごとの利益目標ではなく、企業活動を通じてお客様のビジネスのお役に立ち、それによって働く人々の生活を豊かにすること。企業は社会に奉仕する存在であってこそ、その価値があると私は考えるからです。
・・・・・・・しかし、決して変わらないものがあります。それは、アシストの「人」を基本とする考え方です。世界がどんなに変わろうとも、また技術がどんなに進歩し、他社との競争が激しくなろうとも、お客様はいつも正直で、誠実で、有能で、思いやりのある「人」と取り引きしたいと思うはずです。ビジネスは常に「人」と「人」の間に成り立つものだからです。
ですから私たちのモットーは、お客様に対して、正直に、誠実に、的確に思いやりをもって接し、行動していくこと。アシストとはこの理念に共鳴する「人」からなる企業であり続けたいと考え、People Assisting Peopleを会社のスローガンに掲げています。
====================================
今回のYさんのご講演も、オープンソース化への流れを通じて、同社が社会に奉仕するという信念が感じられる大変印象的なものであった。
http://yagikeieioffice.cocolog-nifty.com/blog/
| 固定リンク
「1.経営」カテゴリの記事
- 働かせ?法案:高度プロフェショナル制度(2018.06.29)
- 不誠実な政権(2018.05.24)
- “世界で一番貧しい大統領” ホセ・ムヒカ さん →この方と比べると日本の現状は淋しい限りです!(2018.03.03)
- マザーハウス・なんばパークス店訪問(2018.01.25)
- 明石順平著「アベノミクスによろしく」...(2017.12.20)
コメント