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2008年9月22日 (月)

山田製作所・・大阪・大東市にある小さな大会社

先日、枚岡合金工具㈱社長の古芝さんの紹介で、㈱山田製作所さんを訪問した。そもそも同社の名前を知ったのは、古芝さんから、うち以上に徹底した3Sを実施している企業があるので、一度行かれたらとかねてから聞いていたからだ。

JR鴻池新田駅から歩いて15分、住宅と工場が入り混じった中に、同社があった。玄関のところには、“本日のお客様”ということで私の名前が掲示されており、山田社長の笑顔で迎えられた。工場に足を踏み入れたところで、同社の持つ優れた企業の雰囲気を感じる。

今回の訪問の主な目的は、同社の3S(整理・整頓・清掃)の実施状況を勉強させて頂くことであったが、私が得た訪問の成果は3Sにとどまらず、広く経営全般に亘るものであった。ブログ記事の中でこれらの全てを網羅することは不可能であるので、
印象に残った点を抜粋して記す。

同社は、創業1959年、現在の社長・山田茂さんは2代目だ。
昭和34年にプレス加工を主として創業。その後、板金加工、製罐加工、機械加工と技術革新を行い、現在では自社による省力化機械の設計製作も行っている。

全て、受注生産でいわゆる自立型営業の会社である。現在は、この業界の中では良く知れた企業であるので、新規顧客は、全て紹介、あるいはホームページを通じた顧客だ。

同社にも苦難の時代があった。2000年には債務超過も経験した。そのような時、会社を立て直そうと始めたのが、先に述べた枚岡合金工具㈱さん等と一緒に始めた3Sだ。

同社のいう3Sは、世間一般に言われている5Sをも含めた企業全般の経営革新
である。これにより、同社は蘇り発展した。従業員17名という小所帯ながら大会社の風格を備えていることが見学を通じで感じられた。

まず、3Sのことだが、整理・整頓・清掃を徹底的にやれば清潔と躾けは自然とついてくるという考えだ。今要るモノ、急がないモノ、要らないモノに分けて整理・整頓・清掃を行っている。

その一例をご紹介すると、毎朝行う朝礼の後、毎日、10分間、場所と担当を決めて掃除を行う。社長自らもこれに加わる。従って同社では年末の大掃除は必要でない。
また、材料収納箱、機械・装置などは、全てキャスター付きで移動可能であり、これにより掃除のしやすさや、場所の有効利用を可能にしている。また、消耗品管理版により小物の発注作業を容易にしている、等。

同社では上記の3S活動により、「守るべき事を決めて、決めた事を守る」という企業文化を育成することで、活動を通じて社員全員の価値観が同一となり、何事にも全社一丸で挑戦する気持ちが出来た。と言われていたが、事実、私も、工場見学を通じて社員の方々の態度を見ているとそのように感じた。

最後に、会社経営に関する全般的なことに関して、私が感動した内容の一部をご紹介したい。

・社員とのコミュニケーション:“今日の「報連相」”という日報を社員に毎日書いてもらい、これにコメントを書いて返す。これならばそんなに時間をかけなくてもできると思うが、コメントの量は、必ず日記に書かれた量と同程度以上としており、形式的な真心がこもっていないコメントを書くことを戒めている。

・財務状況は新人社員も含め全員に開示。財務諸表が読めない者には、一人ひとり教えている。これにより経営の透明性を高めている。また、当然ながら利益の公正な配分ルールを決め実施している。

by yagiyoshiakihttp://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

上:社長の山田茂さん。 背後に見えるのは消耗管理板
下:工場全体の管理板
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