農林水産省による杜撰な管理
大阪の米販売会社・三笠フーズが工業用に限定された「事故米」(カビ毒や農薬が検出された輸入米)を複数のルートで焼酎メーカーや和菓子メーカーに食用として販売していた事件は深刻だ。
三笠フーズが会社の経営が厳しかったからという理由で、食用と偽って有毒な事故米を流通させたことは、意図的な殺人罪に相当するものではないかと思うのである。
一方、農林水産省は、事故米を三笠フーズに売っておきながら、96回もの無意味な立ち会い検査を繰り返し、不正を見抜けなかったという。そして転売先の焼酎メーカーや和菓子メーカー名を最近公表した。これにより何の責任もないこれらのメーカーは信用を失い深刻な経営状態になりかねない事態となっている。
これらのメーカーは ”我々も被害者である。不正を見抜けぬ役人名こそ公表を!”と農林水産省への憤りをあらわにしている。全くその通りだ。
農林水産省は、一次的な責任は三笠フーズだと言い放っている。とんでもないことである。本来、有害で売ってはならないものを食品会社に販売したこと自体も問題であるし、また、その後の杜撰な検査を繰り返し、不正を見抜けなかった農林水産省こそ一次的な責任者であるといわざるを得ない。
それにしても、農林水産省といい、厚生労働省といい、近年、役所の業務怠慢が惹き起こした事件が多いのには驚く。
現場の意見を聴かず、また現場を見ないで空論で物事を決めている役所の仕事のしくみが原因だ。改めてもらう必要がある。
by yagiyoshiaki:http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
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コメント
確かにひどい話なんですが、単純に安いものに群がる消費者にも責任あると思うんです。買う人がいるから売るのですし、「高くても信頼できないところからは買わない」ていう高尚なお買い物精神を持てる人は少ない気がしませんか。
投稿: 莉莉 | 2008年9月20日 (土) 07時38分
莉莉さん
コメントありがとうございます。
消費者がもっと賢明になって、売り手を良く見て判断するようになることも必要ですね。ただ今回の場合、メーカーの側で、米の安全性を疑って検査してみるというようなことは、世の中の通常の常識的な判断では想定外のことであり、やはり流通の上流過程でしっかりとチェックをする必要があったと思います。
やぎ
投稿: やぎ | 2008年9月20日 (土) 10時00分