テクノグローバル株式会社・プラスティック金型を専門とする若い会社
(財)大阪産業振興機構(場所:マイドーム大阪)の中に、今年の3月末まで「大阪府中小企業支援センター」という中小企業支援機関があった。永らく中小企業者支援のために種々の活動を実施し、多くの中小企業者に愛された機関であったが、橋本府政の改革で惜しまれながら姿を消した。それに代わるものとして、同じ大阪産業振興機構の中に、地域創造支援グループがある。現在、私はそこの地域活性化コーディネーターの仕事を時々させてもらっているが、先日、同機構のテイクオフ21認定事業者の一つであるテクノグローバル㈱を訪問して懇談させてもらった。
テクノグローバル㈱は、創業は平成18年10月であるからまだ創業後2年の新しい会社である。創業者の高田さんは福井県のご出身で、大阪に出て来られて金型メーカーに就職され、約22年間勤められた。そして2年前に独立し、プラスティック製品の設計、開発、生産技術、金型製造、品質管理、量産成型などのモノづくり工程を総合的にコーディネートする仕事を始められた。
創業時は、顧客はゼロでスタートしたが今は顧客もある程度増え、4名の方と一緒に将来に夢をもって元気にやっておられる。
事業を始められた動機は、22年間プラスティック製品の開発、金型の設計に関し、企画開発から量産成型に至るまで何でもやってきた経験と社会貢献意欲だ。
高田さんによれば、金型の製造には従来、職人芸が要求され、技術者のスキルにより最終製品の善し悪しが大きく左右されたという。しかし近年、CAD/CAM/CAEというコンピュータ技術の発達と工作機械の自動化により職人芸が殆ど必要とされなくなり、誰がやってもそこそこの製品ができるようになった反面、顧客の要求に合致した製品を作るとか、精密さを要求される製品を作るという点では、それらの要求にマッチした優れた製品を作り出すことにしばしば問題が生じているという。
これは、受注~設計~製造に至る各工程の分業化が進み、全ての工程内容を全体的に把握し、管理できる人材が激減して来ているということに起因するという。例えば、設計の現場では、CADデータに頼り、製品化までのプロセスが理解できず、多くの問題が発生している。
高田氏は、このような事態を目の当たりにして、「良い製品は金型技術に委ねられている。金型はモノづくりの根幹であるにもかかわらず、このような状態では日本のモノづくりが崩壊する」という危機感から、長年に亘って企画開発から量産まで総合的に携わってきた経験とノウハウ、国内、海外の多くの外注先を利用して来た実績とを活用し、社会に貢献したいという想いを抱いて事業を立ち上げられた。
高田さんが今後注力したいと思っているのは、「バーチャル・ファクトリー」である。これはモノづくり工程を総合的にコーディネートするためにWEBサイトで、顧客ごとに独立したセキュリティ空間を設け、遠隔地からでも安全にプラスティック製品の開発に関し、相談を受け付け、それにより開発期間の短縮やコストダウンのお手伝いをするものだ。
高田さんの今後のご発展を期待したい。
by yagiyoshiaki:http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
テクノグローバル
の事務所にて
高田氏
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