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2008年10月13日 (月)

金融危機:金融工学という不気味なもの

アメリカで、サブプライムローンの破綻に端を発する住宅バブルの崩壊が生じているという報道を昨年聞いた時は、アメリカの国内問題に過ぎないし、そのうち何とか収まるだろうと思っていたが、最近になってこれが世界恐慌に発展しかねないと言い出す人も出てきて皆の不安をかきたてている。株とか投資とかには縁がない私であるが、この方面に係わっている人にとっては大変な問題であると思う。

文藝春秋11月号の記事「田代秀敏氏“恐慌前夜ドル崩壊が日本を襲う”」によると、アメリカが発達させた金融工学はデリバティブやローンの証券化などの複雑な「証券化商品」を生み出し、世界中にリスクをばらまいた、と言われている。
話題となっているサブプライムローンについても、ローンを証券化するとともに、証券をバラバラに分解し、別の証券と組み合わせるなどするため、どこにどれだけの損害が生じているか判明しない。すなわち、「事故米」が混入した米を、正常米として世界中にばら撒くような仕組みを編み出したものである、という。

証券化商品とは、リスクあるものを組み合わせることにより、リスク減を図ったものだが、リスクの所在が不明らしい。日本総研の寺島実朗氏が新聞紙上で、ニューヨークで金融関係者と議論した時に出たジョークとして、「金融工学とは、本来、お金を貸してはいけない人たちにどうやってお金を貸すかという技術だ」という話を紹介されていた。寺島氏によれば、そんなものはいずれ破綻すると・・・・・。

もうひとつ「レバレッジ」というものがある。これは借入金をもとに何十倍もの(たとえば30倍?)もの投資ができるという仕組みである。儲かればよいが、運用が失敗すれば大きな損失を生じるというものだ。

現在、サブプライムローンの破綻を端緒に投資銀行や銀行の破綻、更には株の暴落が生じるとともに、信用収縮が起こり銀行が融資を渋るという悪循環が世界を駆け巡っているが日本とて安心などしておられない。

これら金融工学が生み出した「証券化」とか「レバレッジ」とかいうものは、いわば労せずして儲けるという手段である。あぶく銭を稼ぐ手段である。このような金融工学が生み出した金融経済は、実体経済を蝕んでいる。世界全体で1992年時、実体経済3,100兆円に対し5,500兆円であった金融経済は、2007年には、それぞれ6,400兆円、2京2,000兆円となり、その格差は飛躍的に上昇した。

今回の金融危機を機に米国主導経済への反省がなされるだろうと言われている。そして、金融経済に対する規制が強められるだろうと言われているが、そのようになって欲しいものだ。労せずして、楽をして儲けられるという仕組みに一定の上限を設けるとかして、厳しい規制をかけ、真面目に働いて勤労所得を得る人が暮らしやすい世の中になって欲しいものだ。

今回の米国の例を見ても、政府が公的資金を投入しようとした時、儲けすぎているウオール街のエリートのために何故、我々の税金を投入するのかという声があがり、法案の修正を余儀なくされたことは、アメリカの勤労者の偽らざる声を反映したものであろう。

一方、このような金融危機の最中、三菱UFJや野村が破綻した海外の投資銀行の一部を手に入れようとしている。なぜこのような危険なことをしようとするのか疑問に思っていたが、上記の田代氏や寺島氏も、このような動きを戒めて次のように言っておられる。
「いままで投資銀行専門の金融機関が育ってこなかった日本は、ウオール街流の投資銀行モデルがもはや成立しないということを悟り、単に資金を投入すれば、ブランドやM&Aノウハウ、人材などのソフトを手に入れられると考えて、この金融再編劇に参加しているのならば、それは見通しが甘いと評価されても仕方がないだろう。新しく日本流の投資銀行のビジネスモデルを組み上げる覚悟と戦略が必要だ」と・・・・・

by yagiyoshiakihttp://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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