アトム電器チェーン・町の電器屋さんの救世主
最近、小売店の大規模化を巡る話が多い。百貨店の統合とか、大手量販電器店の更なる拡大とかである。その一方で地域に密着した小さな小売店が姿を消していく。
果たしてこれでいいのであろうか? 地域にある小売店は我々の日常の生活と共にあり、地域になくてはならない存在として、地域のコミュニケーションの円滑化に大きく貢献して来たと言える。大規模な小売店も時として必要だが、大規模な商店だけでは荒んだ世の中になりかねない。
このような状況の中、町の電器屋さんにとっての救世主が現れた。その名は「アトム電器チェーン」(本部:大阪・羽曳野市)だ。
最近、アトム電器チェーンさんが私の拙いホームページを訪問頂いたことが契機で、先日、同社の井坂社長さんとお話させて頂く機会を頂き、仲間と一緒に懇談させて頂いた。
ところで、同社は日経スペシャル・ガイアの夜明「巨象に立ち向かえ~町の電器店と商店街の闘い」という番組で紹介されている。
同社のホームページの冒頭に、同社についてのわかりやすい説明がある:
「アトム電器」は「大型量販店にも負けない町の電器屋さん」を謳い文句に全国展開している「町の電器屋さん」のフランチャイズチェーンです。「アトム電器チェーン」では、「21世紀型電器店」というキャッチコピーのもと、大型量販店の長所と町の電器屋さんの長所を融合させた、「いいとこ取り」のサービスを提供しております。
即ち、アトムチェーン本部が加盟店(現在500店舗を超える)分を一括で仕入ることにより製品を安く提供すると共に、町の電器屋さんは従来と同じきめ細かいサービスを提供するというもの。
アトム電器チェーンが目指すのは、地域店の復権だ。かっては5万軒あった町の電器店も今では3万弱と言われている。販売だけでなく、配送、取り付け、修理、取扱い説明などのきめ細かな役割を担ってきたが、最近では量販店の価格攻勢を前に、小回りの利くサービスを提供し続けてきた電器店は減少の一途を辿るばかりである。このような状況を目の当たりにして、社会に不可欠な町の電器屋さんを応援するべく立ち上がったということだ。
フランチャイズチェーンとはいうが、アトム電器チェーンは縛りのない自由な経営を特徴とする。本部からチェーン店へフランチャイズパッケージ(仕入、販促、情報のノウハウ」を提供し、毎月、安価なフランチャイズ料を徴収する以外は一切徴収しない。また、店名・看板も変更する必要もないし、ノルマもゼロ、等・・・・・・
このような経営方針をお持ちだから、経営については一切隠し立てをしない。本部だけが利益を貪るいうようなことはあり得ない。本部は経費節減を心がけている。事実、本社の社屋など、質素そのものである。
経営の危機を救われた町の電器屋さんからはお礼の連絡が多く来るという。借金を返せた、お蔭様で子供を希望の学校に行かせることが出来た、等・・・・・・・
このような社会的使命感に溢れた同社のご健闘をお祈りしたい。
by yagiyoshiaki:http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
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