紀行・モンサンミッシェル
ノルマンディーと言えば第二次世界大戦におけるナチスドイツとの戦いで連合軍が上陸作戦を行ったところである。世界遺産・モンサンミッシェルはそのノルマンディー地方にある。この地方は牧草地帯が限りなく続き、酪農が盛んだ。バター、ヨーグルト、チーズの生産が豊富。チーズではカマンベールチーズが有名。水力発電の風車も所々に見られた。
パリからモンサンミッシェルへは片道5時間。バスの運転手は2名交代で運転した。フランスでは、運転手の勤務時間がタコメーターで厳しく監視されている。日本に比べると働く者の人権が十分に保障されている。
中世の忘れ形見モンサンミッシェルは幻想的な佇まいを漂わせ魅惑的であった。この辺りは一年を通じて晴れた日が少なく、どんよりした空に覆われていることが多いという。訪れた時もこのような天候であったが、このような天候が一層、幻想的な雰囲気を助長しているように思われた。
アヴランシュの司教オベールにより大天使を奉る聖堂がトンブ山に建設された708年、モンサンミッシェルの歴史が始まったという。
天に向って突き出た岩山に造られたこの聖域は、光を導いて闇と戦う大天使ミカエル(神の使者、7大天使の一人)を祭る理想的な場である。頂上に聳える大修道院教会が中世の精神世界に君臨したキリスト教を象徴する一方で、商業の栄えた町を守る城壁は軍事力を誇示しているようにも見える。ここには英仏間の100年戦争の攻防の舞台になってきた影が感じられる。100年戦争と言えば、あの聖女ジャンヌダークが出現し、フランスを救った戦争だ。
また、ここは潮の干満が15mにも達するということで有名で、水に呑み込まれた森の伝説に象徴されるように、幾多の奇跡と伝説の舞台になってきたところだ。
ところで、モンサンミッシェルの建造物の、建造と改築の歴史を観察すると、10~15世紀に至る中世の建築史をなぞることが出来る。ロマンネスク様式の修道院、すらりと伸びたゴシック建造物、強固な城壁、そして古い町並み・・・・・、宗教建築物と軍事建造物、民家が融合した町を形成しているのだ。
1969年になって、7人のベネディクト派修道士が修道生活を再開した。中世以来の巡礼をはじめ、70年間続いた監獄時代(海のバスティーユと呼ばれた)を経て、19世紀以来、多くの観光客が訪れるようになったという。
by yagiyoshiaki:http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
モンサンミッシェル
遠望
モンサンミッシェル
からの海の眺望
聖堂への
参道沿いの
町並み
観光客
で賑やか
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