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2008年12月 7日 (日)

深刻化する雇用情勢、他

◇アメリカ発の金融危機に源を発する様々な影響は、実体経済にもじわじわと浸透してきた。最近の雇用状勢は深刻化しつつある。非正規社員の解雇が続々と続き、更には正社員にも及ぼうとしている。

そもそも経営者たるものは、会社をつくって人を雇った以上、それらの人々を雇用し続ける義務があると思う。会社は生き残りに必死であろうが、雇用を守り従業員の生活を守る最大限の努力をして欲しいものだ。ワークシェアリングなど、経営者を含め、従業員全員の給与レベルを下げるとかいった方法が取れないのか、またやむを得ず人員削減をするにしても再就職を手助けするといった気配りが欲しい。

ものづくりの観点から言えば、世界に類を見ない日本的なものづくりは、当事者意識の強い、皆で協力し合って仕事をするという良き風土に支えられて来た。このような風土は安定した職場であって、経営者と従業員が信頼関係にあるからこそ醸成される。かってバブル崩壊後、なりふり構わずリストラを行った企業の中には、その後、従業員の信頼を失い凋落の一途を辿っていた企業が多く見られた。この度の不況ムードの中で、このような愚かな経営を二度と犯してもらいたくないものだ。

◇アメリカの自動車会社・ビッグ3の経営危機に際して、公的な資金を投入するかについてアメリカの世論は割れている。アメリカ民衆の側から言えば、暴利を貪り贅沢な生活をしている経営者を救済するために何故自分達の税金を使わなくてはならないのか、という素朴な疑問である。
また、GMなどが、自動車を製造する会社という本業を大きく逸脱し、顧客に魅力のある自動車を開発するなどの努力を怠り、これが製造業かと疑われるほど金融面での投資にうつつをぬかしていたつけがここに来て明らかになったということだ。名著「ビジョナリー・カンパニー:ジェームズ・C・コリンズ著」には優良企業としての条件として、基軸を失わない、即ち本業から逸脱しないことが会社を永続させることだと、統計的な資料に基づく教訓として述べられている。従って、GMそのものが無くなってもいいと思うのだが、何と言ってもGM傘下の企業で働いている多くの人々の雇用をどのようにして維持するかだ。

◇アメリカ、次期大統領オバマ政権は、クリントン氏を国務長官に起用するなど、超党派的は布陣を発表した。歓迎すべきである。また、新ニューディール政策をなどのビジョンを次々と打ち出し、この苦しい局面を脱しようと必死に努力している。これに比べて日本はどうか? 先日行われた自民党と民主党の党首会談の内容は、短期的な政策に終始し、長期的なビジョンについての討論にはほど遠かった。日本の政治はやはり、その実権をもっと若い人達に委ねなければならない、古い政治家が一掃されなければならないと感じた。



by yagiyoshiakihttp://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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1.経営」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、いつも切れ味鋭い明快なご発言、楽しみに拝見しています。
企業のあるべき姿、政治に求められるもの、全く同感です。

これからも、いろんな問題提起期待しています。


投稿: きたぐちゆきこ | 2008年12月 8日 (月) 00時04分

北米の企業でレイオフや会社閉鎖等で仕事を失ったり、自分から転職した経験も日本の方に比べたら多いでしょう。
確かに会社も採用したら雇用続けるのが良いのでしょうが、それは会社の運営が好調であり、社員側も会社の期待に応えて仕事をすると言う前提ではないでしょうか。 会社運営が行き詰るとレイオフせざるをえなくなると思います。 私の場合には、一週間の転職指導コースを受けさせてくれました。

ただ、今の日本の、ある企業では内定を安易に卒業の1年以上も前に出しておいて、これ又安易に内定取り消しを出すようですが、その様な会社とは以後関わりたくはないですね。

GMは開発を怠っていたのは確かでしょう。 それに倒産したら困るのは従業員だけでなく、以前に従業員でリタイアした人達も困ると思います。 GMのひとつの大きな出費は永年勤めた人達がリタイアした後にも恵まれたベネフィットを提供している事でしょう。

ひとつ不思議なのは、世界の超優良企業と代名詞になるトヨタが、急激な悪化です。 ちょっともろい気がしますが、裏には何か有ったのでしょうか。

投稿: Tom | 2008年12月 8日 (月) 00時43分

きたぐちさん

きたぐちさんのブログにも日本における中小企業者の倒産の事例を書かれていましたね。会社の経営者にとって浮利を追わない様にすることが鉄則であることをつくづく感じますね。

投稿: やぎ | 2008年12月 9日 (火) 22時23分

Tomさん

今回の金融危機不況で驚かされるのは、トヨタやキャノンといった今まで解雇のような手段をとらなかった優良企業が愚かな手段をとっていることです。内部留保などまだかなりの余裕があるはずなのにとは思いますが・・

投稿: やぎ | 2008年12月 9日 (火) 22時30分

今日のニュースではソニーも16000人もの人減らしとか。 大変な様ですね。
日本のニュースを見てもカナダが取り上げられる事は余り無いので、資源国と言う位しかご存じない方が多いです。
銀行システムは世界一とも言われ、この不況期にも20%弱の会社が、今も雇用を増やしています。 私が仕事した会社は、今も1000以上の地位に募集が出ています。 車の売り上げが30%から40%も落ちた月でも、+だったり一桁のーだったりと、比較的好調な景気を続けていました。
それでも世界中が、これだけの不況、遅まきながらカナダにも不況の影響が出始めています。 失業者も増えて来たようです。
そんな中、来月から、私は少しだけでも仕事をする事になるかも。 こんな時期、良い事なのでしょうか。 日本出張が増えそうです。

投稿: Tom | 2008年12月 9日 (火) 22時37分

Tomさん

先日の同窓会でお会いした時は、仕事をやめられて自営の新生活?を始められたとのことでしたが、再就職ですか?

投稿: やぎ | 2008年12月11日 (木) 23時01分

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