« 朝青龍の復活 | トップページ | 20年後の企業地図は変わるであろう »

2009年1月26日 (月)

オバマ大統領就任演説を聴いて

オバマ氏の大統領就任演説を聴いて、一国の最高責任者の条件として、若さと人々を奮い立たせる信念に基づいた弁舌の力が必要であることを痛感させられた。

ところで、オバマ氏の演説は予想に反して地味であったが、現実を注視し、じっくりと耐え、再生への苦難の道を歩もうという姿勢は格調に満ちていた。

この演説の直後、ニューヨーク株式市場は暴落し低迷しているが、元々株式投資というのは一般大衆の意向を反映するものではなく、一部の限られた富裕層の意向を強く反映するものであるが故、悲観的に見る必要はないのではないか。また、短期的にしか経済を考えない一部の投資家の意向も強く反映しているのであろう。

何事も長期的に見ることが必要だ。オバマ氏の登場で、世界の争いが沈静化し、平和な世界になれば、経済も安定し、皆が適度の豊かさを感じる世の中になるのではないか。一部の強欲な者が他者を犠牲にして潤う世界にしてはならない。


さて、オバマ演説から私が気に入ったフレーズを書き留めてみた。
=================================
経済はひどく疲弊している。それは一部の者の強欲と無責任の結果だが、私達は全体として、困難な選択を行って新しい時代に備えることができなかった結果でもある。

・・・・これらの難問は現実のものだ。深刻で数も多い。短期間で簡単には対処できない。しかし、アメリカよ、それは解決できる ・・・・今日、私達は、長らく我が国の政治の首を絞めてきた、狭量な不満や口約束、非難や古びた教義を終わらせると宣言する。

私達の能力は衰えていない。ただ、同じところに立ち止まり、狭い利益を守り、不快な決断を先延ばしする時代は明らかに過ぎ去った。私達は今日から、自らを奮い立たせ、ほこりを払い落として、アメリカを再生する仕事を、もう一度始めなければならない。

富を生み出し、自由を広めるという市場の力は、比類なきものだ。しかし、今回の経済危機は、市場は注意深く見ていないと、制御不能になるおそれがあることを、私達に思い起こさせた。また、富者を引き立てるだけでは、国は長く繁栄できない、ということも。

先人達がファシズムと共産主義を屈服させたのは、ミサイルや戦車によってだけではなく、頼もしい同盟国と強固な信念によってでもあることを思い起こしてほしい。・

私達の多様性という資産は、強みであり、弱点ではないからだ。私達の国はキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、そして無宗教者からなる国家だ。世界のあらゆる所から集められた全ての言語と文化に形作られたのが私達だ。・・・・イスラム世界に対して、私達は、共通の利益と相互の尊敬に基づき、新たな道を模索する・・・・・腐敗と謀略、反対者の抑圧によって権力にしがみついている者達は、歴史の誤った側にいることに気づくべきだ。そして握り締めたそのこぶしを開くなら、私達が手を差し伸べることを知るべきだ。

・・・・私達はもはや国外の苦難に無関心でいることは許されないし、また影響を考えずに世界の資源を消費することも許されない・・・・・

最も苦しい局面を乗り切るのは、堤防が決壊した時に見知らぬ人を招き入れる親切心であり、友人が仕事を失うのを傍観するよりは自分の就業時間を削減する労働者の無私の心だ。

今、私達に求められているのは、新たな責任の時代だ。それは、一人ひとりの米国人が、私達自身や我が国、世界に対する責務があると認識することだ。その責務は嫌々ではなく、むしろ困難な任務に全てを投げ打つことほど心を満たし、私達米国人を特徴づけるものはないという確信の下に、喜んで引き受けるべきものだ・・・・・・
==================================

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

|

« 朝青龍の復活 | トップページ | 20年後の企業地図は変わるであろう »

1.経営」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オバマ大統領就任演説を聴いて:

« 朝青龍の復活 | トップページ | 20年後の企業地図は変わるであろう »