ローマ人の物語・ユリウス・カエサル
私はこのところ、仕事の往復の電車の中でかばんに忍ばせてある塩野七生さんの単行本、「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル」を読むのが楽しみだ。
この物語「ユリウス・カエサル」(我々の時代は学校で、ジュリアス・シーザーと習った)はルビコン以前とルビコン以後に分けられ、それぞれ3冊で全部で6冊ある。今、ルビコン以後を読み始めたところだ。
有名な言葉、「賽(さい)は投げられた!」を発し、民衆派と元老院派の争いの中で、民衆派であるカエサルがガイア戦役を終え、保守派の元老院最終勧告を無視し、国賊と呼ばれるのを覚悟で、自軍とともにルビコン川を越える。
ルビコン川とは、当時のローマとローマ属州との境界線である。当時のローマの国法では、属州勤務を終えてローマに帰る時は、ルビコン川を越える前に軍隊を解体しなければならなかった。この法をカエサルは敢えて破ったのだ。
そしてポンペイウスとの長期に亘る戦いが始まったところを読んでいる。クレオパトラとの出会いは、もう少し後の方だ。
このような物語を読むと、現代政治における、政党間の争いが重なり合って見え、大変興味深い。
塩野七生氏はユリウス・カエサルを大変好意的に捉えている。民衆派と元老院派との争いの中で、私利私欲を抑え民衆派に組し、最終的には強大な権力を手中にして、帝政を樹立した直後、ブルータス等に暗殺されるが・・・・・
カエサルは、随分野蛮な殺戮も行ったが、ガリア戦役などでは敵軍に対しある種の寛容も持ち合わせていたらしいことがわかる。そしてヨーロッパに多大なローマ的文化の痕跡を残した。何しろ壮大なドラマだ。
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