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2009年7月 6日 (月)

尾道・・・坂のある風景/林芙美子

6月某日、広島県・熊野町にある白鳳堂を訪問した後、尾道を訪れた。
尾道と言えば坂のある風景と作家林芙美子が思い浮かび、それらの雰囲気に触れることが訪問の目的であった。

宿のある千光寺山荘付近の散歩を楽しむ。尾道は瀬戸内海に面しているが、対岸には向島という島があり、その間は大変狭く、尾道水道というまるで川のような海が横たわっている。このような地形の故、海運が盛んで、江戸時代、北前船の停泊地となり、海産物の集散地として繁栄したらしい。多くの回船問屋があり栄えたそうだ。

ロープウエイで展望台に上り、千光寺山頂からつづく文学のこみちを下る。
志賀直哉の「暗夜行路」、林芙美子の「放浪記」など、尾道にゆかりのある作家や作品は非常に多く、彼等の文学碑が刻まれた25の自然石があった。第9番目に志賀直哉、10番目に林芙美子の文学碑があった(写真2)。

文学碑の文字を追いながら小説が書かれた時代背景に思いを馳せる。

林 芙美子 

海が見えた。海が見える。
五年ぶりに見る尾道の海はなつかしい、
汽車が尾道の海へさしかかると、
煤けた小さい町の屋根が提火のように、
拡がって来る。
赤い千光寺の塔が見える。
山は爽やかな若葉だ、緑色の海向こうに
ドックの赤い船が、帆柱を空に突きさしている。
私は涙があふれていた。

林芙美子は「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」の名句で知られる。行商を営んでいた母と共に各地を転々としたが、最終的に港町・尾道に落ちついたそうだ。高校在学中は学費を得るため夜は帆布工場で働いていたという。そしてその後、放浪の日々を綴った私小説「放浪記」を出し、新進作家として大成した。この碑の筆者小林正雄氏は小学校当時の恩師である。

街の方へ下って行く途中で、尾道の坂道散歩を楽しんでだ(写真3)。海の対岸に見えるのは向島である。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

Simg_3296

(写真1)

林芙美子像

JR山陽本線
尾道駅の東

商店街の入り口
にある

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(写真2)

文学のこみち
にある
林芙美子の
文学碑

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(写真3)

坂道のある
風景

対岸は、しまなみ
街道のひとつ
向島

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