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2009年7月24日 (金)

蝉の勢力図に変化?

昨年の夏頃から感じ始めたことだが、蝉の世界に異変が起きている様だ。

現在、大阪の箕面市に住んでいるが、最近、朝起きると、クマゼミのけたたましい鳴き声で目が覚める。庭の木には白い透明な羽をもったクマゼミが何匹も連なるようにとまって鳴いている。私の子供時代には、当時、堺市に住んでいたが、クマゼミは少なく、クマゼミを見つけると嬉しくなって捕まえようとしたものだ。クマゼミは希少で価値のあるものであった。

W_niiniizemi4071 子供時代の蝉といえば、ニイニイゼミが多く、次に、茶色の羽のアブラゼミが多く、クマゼミが希少であった。また、ツクツクボウシは夏の終わりに見られた。

先週、あるテレビ番組で、屋久島の杉の年輪を調べて、太陽活動を研究している方がおられたが、その人によると700年頃?活発であった太陽活動は、その後衰えたが、近年、再び活発になって来ているという。しかし700年頃の気温は今ほど高くなかったらしい。これはやはり地球の温暖化を裏付けるものだ。

蝉も気温の変化の影響を受けているのだろうか?蝉の種類は気温によって変化しているのであろう。クマゼミの勢力拡大?に反比例してアブラゼミやニイニイゼミが非常に少なくなった。アブラゼミやニイニイゼミの減少には淋しさを感じる。以前、これらの蝉の鳴き声を聴きながら、静かに?物思いに耽ったり、昼寝を楽しんだものだ。

芭蕉が詠んだ句に、

「閑(しず)かさや岩にしみいる蝉の声」 というのがある。

この句は紀行「奥の細道」の中にあり、芭蕉が山形藩の立石寺(山形市山寺)という
静かな山寺で詠んだものである。

夕暮れの静寂の中で、蝉の声だけが、岩にしみとおるように聞こえてくる、という
意味である。そして、この蝉の種類はニイニイゼミであろう、といわれている。

成る程、そうであろう。クマゼミのようなけたたましい鳴き声はこの句の場面に合わない。小さな鳴き声で鳴くニイニイゼミがぴったりである。夏のひと時、静かに物思いに耽ったり、静かに惰眠をむさぼるためにも、ニイニイゼミやアブラゼミが再び増えて欲しいものだ。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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