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2009年12月21日 (月)

奈良県・株式会社カキモト・・・巧みの技とレーザー加工を駆使した金属工芸品・・・

先月11月5日・6日の両日、マイドーム大阪で開催された「第31回事業化交流マッチング総合展2009」に、ジョイント・コーディネーターとして参加していた時、ひときわ注目を浴びているブースがあった。ブースには洒落た風情のある、癒しを感じる行灯やふりこ式の虎などの金属工芸品が並べられており、接客対応している方の様子も陽気で明るく、なんとなく明るく元気な社風を感じた。これらの工芸品は金属加工の熟練職人が高度の技と最新のレーザー加工技術を駆使してつくりあげたものだという。

この会社の名は、㈱カキモト。明治40年、農耕器具を製造する鍛冶屋として創業し、平成元年に法人化。主として板金加工、レーザー加工、研磨加工を主業務とし、鉄・ステンレス・アクリル・アルミ等の部材を使用した、産業機械部品、自動車部品、建築金物、製作金物などを製造している元気で頑張っておられる企業である。

このような企業であるので、同社のことを更に知りたくて、先日、取材のための訪問をお願いしたところ、快く承諾頂き、訪問させて頂いた。同社は奈良県生駒郡三郷町にある。JRで天王寺駅から王寺駅の一つ手前の駅・三郷町で降り、龍田大社を目指して歩くと大社の境内の直ぐ近くの静かな佇まいの中に同社があった。龍田大社は日本書紀にも記載があり、風の神として古くから信仰を集めている大社だ。

社長の垣本昌孝さんと管理部長で息子さんの垣本雅之さんにお話を伺う。同社も多くの中小企業と同様に、経済情勢の変化に伴う幾多の不況期を乗り超えて来たが、一貫してキャッシュフローを重視した経営を続けて来たという。好況時には着実に内部留保を確保し、不況時に備える。そして不況時こそ、何かを仕掛けるチャンスだと思い、幾多の不況を克服して来たという。昨年のリーマンショックに始まる今回の不況においても、兵糧米(内部留保)がある程度あったので、人員削減などを一切せず、皆でこの不況を知恵を出して乗り切ろうと皆の気持ちを一つにすることを心がけたという。

今年の始めには、本業の注文が激減。仕事で暇になる状態の中、何か新事業を興そうと思い立ったのが、インテリア金属工芸品である。そして営業、技術を含め、社員全員でアイデアを出し始めたという。因みに社員の内、女性の占める割合は、ほぼ半数だ。女性の感性もこれらの工芸品の出来映えに大きく反映されている様に感じた。

そうすると次から次へとアイデアが出始めたという。そして現在製品化されている“ふりとらくん”(ふりこ式の虎)や風情溢れた行灯などの工芸品の製作が始まった。“ふりとらくん”は近くの信貴山に縁のあるもので来年の干支にあたることもあり採用。行灯については、皆の総意で決定し、奈良にある企業としての特徴を出そうということで大和の名所や古社寺などの情景を図柄として採り入れた。アイデアさえ出れば、あとはアイデアを形にする金属加工の技とレーザー加工によるものづくりは同社のお手のものであった。

垣本さんは、次の様に言われる。--このように皆でアイデアを出し合って工夫するというようなことは今までなかった。しかも、デザインを専門家に考えてもらうこともなく、自然に皆の潜在能力が発揮されて、自分達だけで立派な作品をできたということの意味は大きい--

販路の開拓は、信貴山にある旅館に、土産品として、“ふりとらくん”を置かしてもらったことなどで、地元の情報誌「nara' nto」や「パープル」などの目に触れ、記事として採りあげられたこともあり、同社の工芸品の評判は広がった。近く姫路の山陽百貨店で特別出店の予定もある。

最後に、同社の地域社会への係わり合いについて記しておきたい。同社では近隣の龍田大社で催される秋季大祭で使用する山車の台車の製作や修理をおこなったり、地元の小学校からの工場見学受入などを実施し、地域への貢献にも注力している。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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情報誌
”nara' nto"
で紹介された
記事

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行灯などの
金属工芸品群

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ふりとらくん

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製作現場

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