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2010年1月 8日 (金)

世界市場における日本企業の強みと弱み

日本企業が生み出す製品の品質及び信頼性は、現時点においても総じて世界的にみて高いということは言うまでもない。日本企業は優れた部品や完成品(システム製品)を世界に供給している。しかし、部品と完成品の割合を見てみた場合、残念ながら完成品よりも部品の方を多く世界に供給している。

家電などの電気製品や自動車などは確かに完成品として多く輸出されているものの、日本企業全体として眺めた場合、部品として輸出されるものが多いのだ。

例えば、携帯電話については、世界の消費者の要求に応えられないような複雑・多機能な構造で、日本の消費者でも無駄な機能が多いと思うような製品をつくり、フィンランドのノキア社などとの競争に敗れ、世界市場から取り残された。しかし携帯電話に使われる振動版のような部品の多くは日本企業が供給しているものなのだ。ある意味では下請に甘んじているのだ。

また最近、環境保護で脚光浴びている風力発電システムにおいても、風車の回転を発電機に伝える増速用歯車に使用されるベアリングなどの部品は、日本企業は20%以上を供給している。しかし、完成品としての風力発電システムの割合は微々たるものである。

なぜこのようなことになるのであろうか。これは多分に政治との係わり合いがあるものと思われる。我が国としてどのように世界に貢献していこうかという政府のビジョンが欠如しているからである。風力発電にしても、世界的に優れた技術を誇る環境保護技術を育成して、世界に貢献しようとする意欲が政府のビジョンにまだ描かれていないということのように思われる。従って企業としての意欲が削がれる。このことは太陽電池パネルについても言える。2005年において47%を占めていた日本の世界シェアは、2008年には18%にダウンしている。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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