葛飾北斎を支えた娘さん・應為
読売テレビで葛飾北斎の娘さんである三女の”お栄”さんの話が放映されていた。大変興味深い話であった。葛飾北斎は冨獄三十六景などを描いた浮世絵師で、ヨーロッパの巨匠セザンヌやモネに大きな影響を及ぼしたことは有名だが、多くの作品を遺した裏には、彼の娘さん・お栄の存在が大きいという。
お栄さんは三女で雅号は應為(おうい)。この雅号は、父親がおーい、おーいと娘を呼ぶことから付いた名前だという。幼い頃より画才を発揮。一度嫁ぐが、夫の絵師の腕前に愛想をつかし出戻ったとされる。20歳にして父の代筆を勤め、北斎が90歳でなくなるまで30年以上も北斎の制作を支え続けたという。彼女の作品として残っているものは殆どない。というのはその多くは父・北斎の名で世の中に出たからだ。
近年、應為さんの数少ない作品の幾つかがアメリカ・ボストン美術館で発見されたという。
次の二つの写真が應為さんの作品である。
三曲合奏図:
彼女自身の作品で
境遇が異なる3人の
女性を描いている。
(これは着物の違い
から読みとれる)
應為の雅号が
右下に見える。
唐獅子図:
父・北斎との合作品
中央の獅子は父が、
周囲の牡丹は娘が
描いたもの。
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