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2010年3月11日 (木)

米アカデミー賞・・・アメリカの中の良心を見た

第82回米アカデミー賞は、キャスリン・ビグロー監督の戦争映画「ハート・ロッカー」が元夫ジェームズ・キャメロン監督のSF大作「アバター」に勝利した。「ハート・ロッカー」が作品、監督、脚本など6部門を受賞、技術賞など3賞受賞の「アバター」に圧勝した。喜ばしい結果であった。

「アバター」は2億ドル超を投じた大ヒット作で、自然破壊を進める人間への警鐘を含んでいると言われている作品である。そして3D映画の新時代を開き、「タイタニック」で同監督が築いた世界興行記録を更新した。
335594view007 一方「ハート・ロッカー」は僅か制作費1100万ドル。ビグロー監督が手持ちカメラを駆使し、イラク戦争を従軍取材したジャーナリストの脚本をもとに、爆発物処理班の任務を含む壮絶な日常をリアルに描写した作品である。

監督賞のプレゼンターであるバーブラ・ストライサンドは、「やっとこの時代が来たわ」とつぶやき、女性初のオスカー監督の誕生を称えた。ビグロー監督は「イラクやアフガンで命がけの日々を送る女性、男性に賞を捧げたい。無事の帰還を祈っています」とスピーチした。

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「アバター」は”科学技術重視の人類へ警鐘を発する”を一つの目的としているらしいが、それならば、奇怪な人間もどきの生物を登場させたり、3D技術とか特撮技術とかの科学技術を駆使する必要がなかったのではないか、そのような新規の技術を使うことこそ、科学技術重視ではないか、大切なのは特撮などの撮影技術よりも社会性、思想性、芸術性が大切なのではないかと私は思った。予告編しか見ていないので余り批判する資格はないが、そのように思った。

儲ける映画を作るには、空想的な生物や3D等の新技術を駆使して、娯楽性を持たせることも必要かもしれない。それはそれで良い。そのような映画に作品賞や監督賞などの大賞を与えなければよいのだ。3D技術はもっと安全とか医療など、人類の福祉に役立つ分野に使うべきであり、社会性や芸術性を追求する映画には全く不要だ。

ところで、アカデミー賞は基本的にはアメリカ映画を対象とした映画賞であり、選考はアメリカの映画産業関係者の無記名投票によって決まるらしいが、今回のアカデミー賞で、アメリカ映画関係者が商業主義一辺倒ではなく良識ある判断も持ち合わせているのだということがわかり安堵した。また、ブッシュ政権がもたらしたイラクの悲劇に対して、冷静に批判する良心的なアメリカ人も多く存在するのだということも。

 by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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