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2010年3月 6日 (土)

伊勢の赤福餅

先日、久し振りに伊勢を訪れた。伊勢神宮内宮へ参拝の後、おはらい町とおかげ横丁を散策。内宮の直ぐ傍にある赤福別店舗でお土産に折り詰めの赤福餅を買おうとしたところ、”本日は販売完了しました”との表示。時間は平日の午後3時過ぎではあったが、既に完売していることに驚いた。しかし直に、赤福さんは、売れ残りがないように生産調整しているのだなあ、と悟った。利益優先主義を改め、安全重視で適量だけを生産するようにしたのであろう。
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2007年の秋、同社は売れ残った餅を冷凍保存し、解凍した時点を製造年月日に偽装して出荷していたことが発覚して、営業停止に追い込まれた。

その後、同社は再包装や再出荷の不正行為を防止するため、包装紙と折箱の両方に製造年月日を印字することや、冷解凍設備の廃棄、更に内部監査室やコンプライアンス室、お客様相談室などの組織体制の改善を矢継ぎ早に実施し、信頼回復に努めた。その結果、現在顧客の信用と信頼を取り戻した様だ。同社のホームページを見ても顧客の信頼を取り戻そうとしている熱意が伝わってくる。Simg_2549

元来、同社は、家業200年以上の老舗優良企業のみが加盟を許される国際組織「エノキアン協会」のメンバーであり、優れた経営を行って来た会社なのだ。エノキアン協会には、日本では月桂冠など5社が加盟している。

同社は偽装事件での過ちを素早く認め、改めた。「過ちては改むるに憚(はばか)ること勿れ」という論語の言葉があるが、過ちを正直に認めて改めることの必要性を示した好例であった。因みに、店内で赤福餅と茶のセットを注文したが、店員さんの顧客をもてなす態度を見て好感を持てた。


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(備考)赤福餅の誕生は今から300年前の宝永4年(1707年)。赤福餅はお餅の上にこし餡をのせた餅菓子である。形は伊勢神宮域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表している。名は「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から二文字を使い、「赤福」と名付けられたと言う。(赤福HPによる) 赤心慶福とは、まごころ(赤心)をつくすことで率直に他人の幸せを喜ぶことが出来る(慶福)という意味らしい。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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