バンクーバー・オリンピックを観て
いつものことだがオリンピックの度に愛国心を鼓舞され、テレビの前に釘付けになる。自国の選手に勝って欲しいと思う気持ちは、どの国も同じであろうが、オリンピックという場では、自国の選手だけでなく、他国の選手の活躍にも皆が拍手を送っている姿を観ていると、そこには偏狭な民族主義の色彩はなく、地球上皆が仲良くやっているという雰囲気を感じ、ほのかなやすらぎを感じる。
しかし国家とスポーツの関係には煩わしいものがある。各国がメダル獲得数を競うことは避けられない。中国や韓国などが、国威高揚のために国策として、選手の育成に力を入れているのに対し、我が国は国としての介入は少ない。かってのオリンピック強国ロシアも凋落傾向をとめることができない。かってソ連時代に比べて、国家としてのスポーツ強化策が弱くなったからだと思われる。
スポーツは夢を育む文化として大切であるが、福祉、教育、医療など国民生活に必須の予算との兼ね合いが難しいところだ。もっとスポーツに力を入れるべきだ、いやそうでない、という議論は今後も我が国では続くだろう。
むつかしい話はさておき、今回日本が獲得したメダルは5個(銀3、銅2)で決して多くないが、それぞれの選手がベストを尽くして頑張り楽しませてくれた。
==========================
★カーリング
チーム青森(目黒、本橋、石崎、近江谷、山浦、選手)は、チームワークの良さでロシア、アメリカを破ったが、終盤、あと一歩のところで力尽きたところは残念だった。しかしカーリング競技の奥深さとその面白さを充分に堪能させてくれた。
★スピードスケート
男子500Mでは、長島、加藤選手がそれぞれ銀、銅メダル、女子団体・追い越しでは、田端、小平、穂積、(高木)選手が、僅かの差で惜しくも金メダルを逸し、銀メダルであったがチーワークが効を奏し、昨年4位の雪辱 を果たした。この他、小平選手は女子1000Mで5位、1500Mで5位、穂積選手は女子3000Mで6位であった。
★フィギュアスケート:
男子では、高橋選手がライサチェック、プルシェンコと互角の戦いをし、銅メダルを獲得。女子では浅田選手が韓国のキム・ヨナ、カナダのロシェットとの美の競演を演じ、銀メダルを獲得した。日韓対決のような雰囲気であったが、両者とも健闘を称え合い友好的な雰囲気に終始したことは良かった。
★フリースタイル・女子モーグル:
上村選手は健闘むなしく4位に終わったのは残念だった。過去3回の挑戦で、あと一歩のところでメダルに届かなかったことは無念であろう。
★スキー距離
女子30KMクラシカルでは、石田選手が、4位とこの種目、日本選手として始めて入賞したことは立派であった。
★その他
フィギュア・ぺアーの川口・スミルノフ組(日本人とロシア人混成のロ シアチーム)、女子フィギュアの未来選手(日本人であるがアメリカからの参加)、フィギュア・アイスダ ンスのリード組(母が日本人の姉弟ペア)、など、国境を越えた選手の活躍は楽しく見ることができた。
| 固定リンク
「2.日記・随想・歴史紀行・音楽」カテゴリの記事
- 強行された五輪ではありますが、懸命に頑張っているアスリートには敬意を表したい(2021.07.27)
- 相撲道を守るには How to keep Sumo-do(2021.07.20)
- 大谷翔平さんはなぜ、皆に愛されるのだろうか(2021.07.14)
- 現代人が留意すべきこと(2021.07.10)
- テイカカズラ(定家葛)(2021.06.16)
コメント