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2010年5月 5日 (水)

貧困スパイラルを止めろ!

「貧困スパイラルを止めろ!」は、昨年湯浅誠さんが堤未果さんとの共著で書かれている下記の書籍の副題だ。

「正社員が没落する」―「貧困スパイラル」を止めろ!」 堤未果・湯浅誠 著 角川書店

湯浅誠さんといえば、貧困の撲滅に献身的に活動され、この年末年始にも年越し派遣村の村長を務め、また民主党政権に請われて政府内閣府の参与として活躍されている方である。最近テレビにも時々出演されている。一方、堤未果さんは米国野村證券に勤務中、9.11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍され、「ルポ貧困大国アメリカ」などの本を書かれている。
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小さい政府が良いか、大きい政府が良いかという議論があるが、小さい政府、すなわち市場経済優先による行き過ぎた政策(福祉予算の削減や教育予算の削減など)により、我が国やアメリカにおいて、人々の相互の助け合いの気風が失われ、人間社会が衰退していく様に思われるのは残念なことである。

このような様子はTVや新聞でも垣間見ることができるが、表面的にしか把握できない。しかしこの本では現場での実体験に基づく真の実態が捉えられており、成る程と納得させられるところが多い。その上、本書は決して一方的な偏見に基づいて記されたものではない。あくまでも客観的な情報に基づいて記載されているだけに胸に響く。
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湯浅さんは次の様に述べている:

今、日本は高度経済成長以来初めての危機に直面している。そのキーワードは貧困だ。生活保護受給者は159万余り(2008.11)に達し、貯蓄ゼロ世帯も急激に増えた。非正規雇用者の比率も33.5%と過去最大である。

しかし、貧困とは単に金銭的に貧しいことだけを意味するものではない。たとえ経済的に困窮しても、かってならば家族や親戚、地域社会などが受け皿になって新たな職場を紹介してくれたり、家業を手伝いながら今後を考えることも可能だった。いまの貧困は違う。所得が低いばかりでなく、頼れる人もおらず、そこから抜け出る足がかりさえもない。すなわち明日の見通しが全く立たない状態である。それは単なる経済問題ではなく、この国を支えてきた土台が、砂のように崩れ始めているように、私は思える・・・・・・

貧困で悩み、生活相談に駆け込む人々に対して、しばしば「すぐに他人を頼りにする」「自助努力が足りない」と言う人も多いが、実際に彼らに接してきた私からすると、それはまるで当たっていない・・・・・・・・

これまで貧困や生活相談といえば、普通に暮らしている人にとってはどこか遠い世界の話題であった。しかし、最近、私達のもとに大企業の労働組合や医師の会合など、貧困とは無縁と思われるようなところからの講演依頼が増えている。この国はどうなってしまうのかという不安が広く蔓延し始めている・・・・・
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堤さんの述べていることにも驚く:

9.11同時テロ以降、アメリカ政府が急激に始めた社会保障費削減や民営化は、社会の様々な場所を競争原理にさらし、コストや人材の切捨てがもたらす過剰労働が肉体を蝕み、質の良いサービスを提供できないという敗北感が精神にダメージを与えた。人間としての「ゆとり」を奪われた人々の悲鳴が、今全米各地から聞こえ始めている・・・・・・と記され、

医師や教師、公務員、製造業の中間管理職クラス、いわば1950年代のアメリカンドリームの主役だった人々の過酷な生活実態を記されている・・・・・

・・・・・自分だけは大丈夫と安心していた人々が、気がついたら吹きすさぶ嵐の中、呆然とたたずむ光景が、今アメリカを覆い始めている。
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この本を読んで感じたことは、このままの状態が続くと世の中、ひどいことになるということだ。選挙に勝つためでなく、真に世の中のことを考えてくれる政治家を選ばなければならないということを改めて考えさせられた。

 by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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