ダイシンに見る地域密着型経営
中小企業が生き残っていくためのひとつの戦略として地域密着型の経営がある。そのような経営スタイルをとって成功しているのが、東京は大森にあるダイシン百貨店だ。ダイシンは、500M圏内の顧客を100%獲得しようと奮戦している。同社の場合は”超地域密着”だ。
ダイシンはかっては京浜地域に幾店も持つ大きな百貨店であったが、近年は大森地域に絞って経営をしている。
その特徴は、顧客の重点を高齢者においていることだ。品揃えはアイテム数18万点で、昔使われた懐かしい商品、例えば、粘着テープ式のハエとり器や丹頂とか柳屋のポマードという幾世代前の化粧品などもその中に入っている。顧客の声を聞き、たとえ1年に1ヶしか売れなくても在庫として保有している。ダイシンに来るとなんでもあるということが重要なのだ。食料品から生活用品、電気製品まで、全てを網羅している。
また、対面販売を基本としている。地元の方と店員さんとのコミュニケーションを大切にしている。スーパーなどでよく見られる店員さん不在の人間味を感じない売り場とは違っている。顧客は買い物と共に店員さんとの会話を楽しみに足を運ぶのだ。
ここまで神経を使っているのかと驚かせられるのは、婦人服売り場だ。同じスタイルの服でも一点一点デザインや色が異なる。女性の場合、他人と同じものを着ることを好まない。ましてや、狭い地域で同じものを買えばどこかで自分と同じものを着ている人に出くわすことが考えられる。そういった場面を想定しての配慮だ。
配達面では、70歳以上の人や妊婦さんには、”幸せ配達人”が無料で自宅まで配送してくれたり、高齢者には出前弁当のサービスもある。
このようなダイシンであるが地元商店街との共存共栄を図るため、共通クーポンのシステムを導入することを提案したりして、街全体の活性化を考えているところが素晴らしい。
by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
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