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2010年11月12日 (金)

The Art of Gaman・尊厳の芸術

先日、NHK番組で、第2次世界大戦の最中、アメリカによって強制的に連行された日本人が収容所の中で、先行きが見えない絶望的な環境の中で、生きる希望を失わずモノづくりに励んでいたというニュース(The Art of Gaman(我慢):尊厳の芸術)を報じていた。

その収容所というのは酷い状態であったという。冬季には建物の隙間から冷たい埃まじりの風が舞い込むといったような環境であった。また人間を人間と思わないような虐待が日常茶飯事であったらしい。このような話を聞くと、民主主義国家であると自認するアメリカの恥部が見えてくる。

このような環境の中で、人々は生きる望みを失わないように、日常品や彫刻、人形、ブローチなどの工芸品をつくっていたという。驚くべきことにこれらのものをつくる刃物などの道具や工芸品の材料は、収容所のあたりにある木材や金属材料などを集めてつくったという。一例として、ブローチなどの作品の中に小さな貝殻が見られたが、これらの貝殻は地面を深く掘って探し当てたものだという。テレビでそれらの作品の一部が写し出されていたが、素晴らしく正に芸術品に値するものであった。

これらの話を聞くと、ものづくり精神に富んだ日本人の良さが、こういうところでも表出されていたということを知り嬉しく感じる。
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さて、これらの作品が日の目を見るようになったのは、偶然のことであったというから、これまた驚きだ。収容所にいた方の遺品の整理をしていた彼らの子供さんやお孫さんが、その遺品の中にそれらの芸術品を近年見つけたという。

収容所で亡くなられた方は、収容所での生活については戦後も多くを語らなかったし、アメリカ人についても正面切って悪口を云わなかったということである。それは、子供たちが戦後、アメリカ社会に反感を持たず、順応して生きて行くためには、それらの事実を知らせることがマイナスと感じたからだ。まさに泣かされる話だ。

これらの作品は現在、スミソニアン博物館に展示され、良識あるアメリカ人に日本人に対する尊敬の念を植え付けているという。上記をクリックすると作品の映像を見ることができます。また、下記のような書籍が出版されている。

by 八木: http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

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