« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

2011年1月

2011年1月22日 (土)

競い合い成長した大阪の会社・・・山田製作所・枚岡合金工具

1月17日の朝日新聞を見ていると、「ニッポン 人・脈・記 どっこい町工場」という欄に、お世話になった会社の名前が載っているのに気が付いた。山田製作所枚岡合金工具だ。大阪の中小企業で、3S(整理・整頓・清掃)実施の模範会社であり、3Sにより成長した優良会社だ。

両社は良きライバルとして競い合ったという。単独では成し遂げられなかったであろうという話を両社長から聴いたことがある。苦しい時、お互いに切磋琢磨したそうだ。

実は、私がコンサルティングしたのではないが、3S実施の模範会社である両社の事例を、コンサルタントとして、他社の経営指導に随分利用させてもらったので、両者には恩義を感じている。

たかが3Sと言うことなかれ。3Sは究極的な経営革新の要なのだ。山田製作所、枚岡合金工具とも、3Sの実施をきっかけとして、倒産の危機を脱し、今では、3Sと言えば、この業界では両社の名前を知らないものはいないほどの優良企業に成長しているのだ。

両社がこのような形で新聞で採り上げられたことは、他人のこととはいえ、大変嬉しく感じる。

下記は、その新聞記事の内容である。

by 八木経営システム研究所 http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

Img

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月21日 (金)

関西・大阪文化力会議2011

1月18日、関西・大阪文化力会議2011という会合が、大阪21世紀協会主催で、大阪国際会議場であったので聴講した。基調講演は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者のハーバード大のエズラボーゲル名誉教授と「縮み志向の日本人」で知られる李御寧・元韓国文化大臣が行った。またパネリストとして日本側からは文化についての論客である千田稔氏や高島幸次氏が出席された。

基調講演をされたお二人はさすが日本通で、全て流暢な日本語で話されたのには驚いた。
特に李御寧氏の話は李氏の著作を読んだこともあり、聴いていて納得のできる内容が多く、同氏の文化に関する知見の深さに改めて感銘させられた。

基調講演、分科会を通じて印象に残った発言をリストアップしておきたい。

・軍事力、経済力だけでは世界は行き詰まる。文化が国の統治や各国間の交流のベースとならなければならない。しかし文化は弱いので、これを育てることが必要である。

・科学技術の発展は、必ずしも人間の心を豊かにしない。科学技術の限界を知るべきである。

・昔、キムチは差別語であった。しかしヨンさんブームも手伝って、キムチブームとなり、我が国でも一つの食文化として認められつつある。・・・・文化とは個性的で、本物であり、その良さが認められるものである。また、異質なもの、対立するものを和らげるものである。

・伝統文化に関して・・・不変の文化は存在しない。変化し続けた伝統だけが生き残る。時代のニーズに応えることが必要である。

・街づくりには、美術館を核とした街づくりといった発想もある・・・例:金沢21世紀美術館

・文化の育成に膨大なお金を使う必要はない。文化は人の心から変えていく必要がある。子供の時からの教育が大切だ。しかし現代のように家族が支え合うような社会が崩壊することを防がなければならない。

・匿名によるコミュニケーションは不安を感じる。その点フェイスブックは自分を明示するので少し期待が持てる。
================
文化というものの必要性を改めて感じさせれれた一日であった。

by 八木経営システム研究所 http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/





| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月16日 (日)

森上亜紀子さんの熊野古道てくてく旅

今年の始めからNHKで放映されていた”街道てくてく旅・熊野古道をゆく” の特集番組を観た。番組は、春、秋の計6回にわたるものだった。熊野大社には一昨年訪れたこともあり、興味もあったので楽しく観ることができた。

案内人は元テニスプレーヤーの森上亜希子さん。大阪八軒家浜から伊勢神宮までの650kmの道のりを65日かけての旅だ。

各地での生活模様の紹介、特産品の紹介、農業や漁業、ものづくりの紹介、人との出会いと触れ合いなどが、森上さんのスポーツウーマンらしい気取らない、彼女そのままの率直な感情表現と共に映し出されていて、大変楽しめた番組であった。

沿道には、地元の人が彼女を出迎え、ねぎらいの言葉をかけたり、食べ物の差し入れをしたり、田植えやみかん採りなどの体験などをしたり、多くの触れ合いの場面が組み込まれていた。日本の社会にはまだまだ、このようなあたたかい助け合いの精神が維持されているということもよく認識できた番組でもあった。

(写真は森上さんのブログより借用)
0924shugo

なお、3月12日(土)に熊野街道ウォーク実行委員会や大阪商工会議所主催で、八軒家浜らから住吉大社までの熊野街道ウォークがあるという。参加したいと思っている。

by 八木経営システム研究所 http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月 7日 (金)

温故知新

大阪販売士協会の「大阪販売士」1月号が発行された。大阪販売士協会は、大阪にあるマーケティングや販売を専門する者の集まりで、私もメンバーの一員である。

その年頭所感で、当協会の理事長で、大阪天神橋3丁目商店街振興組合の理事長である土居 年樹 さんが次のようなことを述べられている。

Img_2
=================
私は改めて50年前の大阪(日本)を振り返ってみた。まだスーパーやコンビニが乱立していなかった頃である・・・・お正月を迎えるのに家族のお茶碗・お箸は新しく、下着はマッサラのを着る。これがお正月を迎える日本の伝統作法であった。つまりみんなが節目を大切にしたものである。日本中の暮らしが今ほど豊かでなかった時代だが、人の気持ちはもっと豊かであった。・・・・お正月の三ヶ日はお店は全部休み。おせち料理は我が家の「おふくろの味」で楽しんだものだ。

「コトがあってモノが動く」 これがモノゴトである。こんなメリハリのある社会が失われてしまった感がある。私は流通の変革が「日本の社会の風習を破壊した」と思えてならない。

街は大型企業(企業商人)に独占されてしまい、街の安全・安心を守る零細企業(街商人)は衰退する。・・・・こんな「流通日本」に未来があるとは思えない。・・・・江戸時代、商都大阪を支えた商人は運河を掘り、橋を造り誓文払い(文に誓って商品を払い出す)と称して季節の残り物を奉仕し社会に貢献したものだった。

現代社会を半世紀前の社会に戻したい。こんな社会戻しを目指す街あきんどが一人ぐらいいてもいいだろう。・・・・・「心の豊かな社会は分かち合いの精神」だと思っている。
=================
土居さんの言われることはもっともな話である。合理主義一色に塗りつぶされつつある現代社会である。人と人との触れ合いがあった昔の良い面を思い出して、それらを戻してみることも必要ではないだろうか。

土居さんの年頭所感の全文は、
「hanbaisi.pdf」をダウンロード をご覧下さい。
(このPDFには、私が以前、本ブログで、花外楼の女将さん・徳永正子氏の講演の内容を紹介した記事も含まれています)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月 5日 (水)

桂七福さん・・・社会を明るくする落語家

落語家・桂七福さんはSNS上での私のお友達である。

12月30日、朝日新聞の天声人語を読んでいると、桂七福さんについての記事が他の4人の方の記事と並んで掲載されていた(下記)。

Img_2

桂七福さんの記事は一番最初に掲載されていて、次のような内容である:

「徳島が拠点の落語家の桂七福さん(45)は、自身のいじめられた体験をもとに小中学校で講演を続けてきた。今いじめられている子には、「人間はほっといても寿命が来たら死ぬ。だから、どんなに悩んでも自分から死ぬ方向には絶対に行くな」。訪ねた学校は述べ100校になる。
===================
桂七福さんは、この記事にも記載のように、徳島を拠点として活動されている上方落語家である。企業勤務の経験もお持ちだ。ご本人の自己紹介文を見ると、人権、健康、福祉、子供の教育、生涯学習、ひきこもりなどをテーマに講演されることが多いという。落語のテーマとしては珍しいテーマだ。

その他にも徳島ふるさと落語や阿波伝説的古典落語風落語など、地元に密着したテーマの落語に注力されている。

最近では、「チベット落語」を創作された。チベット問題を落語の型を借りてわかりやすく表現し、広めようとされている。これは決して中国への批判を煽るものではなく、チベットだけのことを訴えているものではないとのことだ。「ここから何かに気づいて、多くのことを知るきっかけにして欲しい」との思いで始めたのだという。すなわち世界中の暴力に向けての落語による訴えだそうだ。
==================
桂七福さんはとにかくエネルギッシュな方だ。落語で社会を明るくするために各地で積極的に活動されている姿を見ると非常に頼もしく感じる。今は、SNS上でのお付き合いだけであるが、いつか是非お会いしてみたいと思っている。

by 八木経営システム研究所 http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月 4日 (火)

新年三箇日

大晦日から元旦にかけて少し雪が降った。正月に雪が降るのは、豊年になる前兆だという。ふと万葉集の大伴家持の歌が思い浮かんだ。

 「新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事」
 (新しい年の初めの初春の今日、めでたくも降る雪のように、いよいよ良いことが重なるように) 

この歌そのものは、759年の正月元旦の賀宴で、政争に翻弄され続けた不遇な環境の中で家持が雪に託した切なる祈りの歌であるが、私もこの歌にあやかり、今年も何か一つでも良いことがあるようにと祈った。

==================
長女一家が正月を我が家で過ごした。正月元旦、孫娘を連れて近所を散歩。子供は無邪気で好奇心旺盛だ。行先は彼女が行きたいところに任す。落ち葉拾いをしたり、池を見たり、畑で大根や人参、キャベツを見たりして約2時間、孫娘が楽しく遊んでいる様子を見ることは楽しいものだ。このような散歩の機会があれば、これからもできるだけ色々な経験をさせてあげたいと思った。

散歩の途中、広場で若いお母さんが、小学校低学年と思われる男の子二人とドッジボールに興じていた。ほほえましい光景だった。子供の虐待など暗い話が多い今日この頃なので、親子が楽しく遊んでいるこの光景が一層眩しく感じられた。

=================
世の中が経済的に豊かになったり、便利になったりしている一方で、人々の心は決して豊かになっていない、むしろ荒みつつあると云ってもよい。文明の発展の陰で、文化という精神的な人間の所産が廃れないようにするにはどのようにすべきかと思ったりする。そんなこともあって文明発展の歴史を勉強してみたくなり、年末より歴史書を繙くことから始めた。

=================
年初の風物詩「箱根駅伝」を今年も見た。早稲田大学の18年ぶりの総合優勝、東洋大学の三連覇ならず、名門日大の最下位沈下、10位以内のシード権を巡る熾烈な争い、これらの中に栄枯盛衰を感じた。

by 八木経営システム研究所 http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »