関西・大阪文化力会議2011
1月18日、関西・大阪文化力会議2011という会合が、大阪21世紀協会主催で、大阪国際会議場であったので聴講した。基調講演は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者のハーバード大のエズラボーゲル名誉教授と「縮み志向の日本人」で知られる李御寧・元韓国文化大臣が行った。またパネリストとして日本側からは文化についての論客である千田稔氏や高島幸次氏が出席された。
基調講演をされたお二人はさすが日本通で、全て流暢な日本語で話されたのには驚いた。
特に李御寧氏の話は李氏の著作を読んだこともあり、聴いていて納得のできる内容が多く、同氏の文化に関する知見の深さに改めて感銘させられた。
基調講演、分科会を通じて印象に残った発言をリストアップしておきたい。
・軍事力、経済力だけでは世界は行き詰まる。文化が国の統治や各国間の交流のベースとならなければならない。しかし文化は弱いので、これを育てることが必要である。
・科学技術の発展は、必ずしも人間の心を豊かにしない。科学技術の限界を知るべきである。
・昔、キムチは差別語であった。しかしヨンさんブームも手伝って、キムチブームとなり、我が国でも一つの食文化として認められつつある。・・・・文化とは個性的で、本物であり、その良さが認められるものである。また、異質なもの、対立するものを和らげるものである。
・伝統文化に関して・・・不変の文化は存在しない。変化し続けた伝統だけが生き残る。時代のニーズに応えることが必要である。
・街づくりには、美術館を核とした街づくりといった発想もある・・・例:金沢21世紀美術館
・文化の育成に膨大なお金を使う必要はない。文化は人の心から変えていく必要がある。子供の時からの教育が大切だ。しかし現代のように家族が支え合うような社会が崩壊することを防がなければならない。
・匿名によるコミュニケーションは不安を感じる。その点フェイスブックは自分を明示するので少し期待が持てる。
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文化というものの必要性を改めて感じさせれれた一日であった。
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