芥川賞受賞作を読んで
芥川賞受賞作を読もうと文芸春秋3月号を買い求めた。小説を読むのは久しぶりだ。
朝吹真理子氏の「きことわ」は少々難解さを感じ、読むのに時間を要した。貴子と永遠子という二人の女性の少女時代と25年後の今について、触覚や味覚、嗅覚などの五感を基に記憶を再現させながら書かれた小説であり、過去と現在の話が錯綜し、理解しながら読むのに大変苦労した。全体として読者に何を伝えたいのか、よくわからなかった。
しかしながら、絶妙な表現力で、清少納言の様な美意識を感じさせる小説であった。
西村賢太氏の「苦役列車」は、昔読んだ「蟹工船」を思い出させるような小説であった。社会の底辺で甘んじている若者が毎日独りで、生きるための生活を続けながらも、社会を批判するということもなく、人とのつながりを求めて必死で生きているという内容であった。
読後の感想としては、二つの小説とも、何を言わんとしているのか、何を読書に訴えたかったのかが今ひとつわからなかった。私の理解力の貧弱さによるものかも知れない。選評者の作家のコメントも読んで見たが、そのような感想を述べている作家もいた。
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