東海バネ工業・驚きの手づくり職人集団
先日、カンブリア宮殿で放送されていた番組のビデオを観ていると、バネをつくっている会社で、量産体制から決別し、たとえ1個でも受注に応じるという会社が紹介されていた。大阪・伊丹市にある東海バネ工業だ。
同社のHP http://www.tokaibane.com/index.html
同社ではあたりまえのバネは作らない。他社がやりたがらないものを、全て職人の手づくりでつくる。小さなバネから大きなバネまで、多品種微量生産だ。
そんな同社であるから、顧客は3000社以上にも上る。3月11日の東日本大震災の中で、あの東京スカイツリーが無傷でいられたのは、塔の先端部に取り付けられた「制振装置」、そこに同社の巨大なバネが使われているという。同社が誇るバネとしては、他にもマシニングセンターの皿バネ、安全弁用コイルバネなどがあるが、シェアNo.1のものが多い。
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同社が現在のような会社に生まれ変わったのは、同社社長渡辺氏が、業界の視察で訪れたドイツやフランスの職人たちの態度に大きな感銘を受けたからだ。「価格が合わなければ仕事をしない」「大変で誰もやりたがらない仕事だから給料が高いんだ」と胸を張る彼等を見て目を覚まされた。
帰国後、量産設備を思い切って破棄、効率主義を排し、品質にこだわり、絶対に値下げはしないという、今日の同社の姿を作り上げた。そして同社の給料は同じ規模の小さな企業に比べると遥かに高い。従業員重視のこのような姿勢は若者も惹きつけ、希望者が殺到しているそうだ。
同社のような僅か80名の小さな町工場が沢山存在する限り、我が国のものづくりは安泰だ。
by 八木経営システム研究所
http://homepage3.nifty.com/yagikeieioffice/
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