姜尚中さんの話を聴いて-グローバル化にどう対応するか-
先日、姜尚中(かんさんじゅん)さんの講演を聴く機会があった。箕面市国際交流協会創立20周年記念のイベントに、姜さんがゲストとして招かれ箕面市に来られたからだ。そして「越境する力-多文化主義の未来-」というタイトルで話をされた。
姜さんについては、テレビや同氏の著作で存じ上げているが、大変謙虚な方である。静かで、論理的で説得力ある話しぶりが、私は好きだ。
さて、講演では多くのことを話されたが、世界がグローバル化しつつある中で、どう対応していいかを考える上で、ヒントとなるような点について、次のようなことも話された。我が国では西欧に比べて移民が少なく、外国人の力を借りるといった発想に乏しいが、考えさせられる。
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箕面には、留学生を始めとして外国人が多い。これらの外国人を活用することが大切だ。箕面ファン、日本ファンを増やすことが大切だ。そのためには彼らの在日中、日本に興味を持ってもらい、帰国後も日本をPRしてもらわなければならない。これは長いスパンで考えなければならない。民間主導でこれらのことをやることが大切だ。行政だけでは無理がある。
少子高齢化が進む中、地域の活性化を図る上で、外国人の力を借りることは不可欠だ。ひとつの民族だけで世界でやっていくのは限界がある。
アメリカやイギリス、フランスは移民が多いので、移民族による相乗効果が出ている。日本は古来より、渡来人から様々なことを学び、最近でも明治維新後、外国から文化や技術を学び、それらを自分なりに消化して成長して来た国であるが、現在は外国人が入ってくることに壁を作っている様に見える。
グローバル化の時代こそ外国人の力を借りなければならない。壁を作ってはいけない。フランスでは、サルコジはハンガリー移民、イブモンタンだってユダヤ系の人物であったが、大変活躍した。
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注:姜さんは現在、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授で、専攻は政治学、政治思想史。
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