ドラッカーさんなら どのように思われるだろうか・・・ユニクロのこと
ヒートテックなどの安価な衣料を提供し、その強力な販売力により消費者に恩恵をもたらしていると思われるユニクロだが、その安売り戦略で我が国のデフレ局面の一翼を担っているようにも思われる。
ところで、先日行われたマスターズ・ゴルフで優勝したスコット選手が着ていたポロシャツには“UNIQLO”の赤いロゴがくっきりと刻まれていた。普通ならばここで我が国の誇りに感じたいところだが、最近のユニクロの経営を見ていると、それとは逆の気持ちになる。
同社は、最近の報道によると、グローバル企業として生き残るために、世界での賃金統一を考えているらしいが、生活環境の異なる国家間の賃金の統一を図ることには無理があるように思われる。これが実施されれば我が国の従業員は相対的に低い賃金に喘ぐことになる。
それにしても最近のユニクロでは弱肉強食の論理がまかり通っていると聞く。ノルマが厳しく、残業をやらざるを得ない状態に社員を追い込み、社員間の賃金格差を意識的に拡大している。
そのため、同社の新卒社員が入社後3年以内に退社した割合は最近では50%に上るという。同期入社の2人に1人が会社を去っているのだ。更に休職している人のうち、42%が鬱病などの精神疾患で、店舗勤務の正社員の3%にもあたるという。これは異常なことである。
ユニクロのこのような経営では、将来に亘って成長し続けることは、過去の優良企業の歴史からみて、あり得ないことだと思う。
かつて、日本的な経営の良さ、すなわち家族的な雰囲気を持ち、従業員にやさしい経営をおこなって来た、優れた我が国企業を絶賛していた故ドラッガ-さんが、このユニクロについてコメントを求められると、どのように答えられるだろうか。おそらく不快の思い出で眉を曇らされるだろう。
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投稿: prada online | 2013年5月23日 (木) 22時13分