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2013年7月 3日 (水)

原発ゼロを目指す

科学技術の発展は人間に幸せをもたらすであろうか?-- 幸せをもたらすものもあれば、逆にそうでないものもある。後者の例としては、人間が生み出した最大の失敗作・原子力がある。人間は自ら作り出し、自ら制御できないこの原子力に翻弄され続けて来た。広島、長崎への原爆の投下、チェルノブイリ原発における事故、そして我が国での東日本大震災における福島原発事故などである。

東日本大震災の後、原子力による被害者という経験を下に、原子力を無くして行こうとする気運が国民の間で盛り上がった。原子力依...存をなくして行こう、原子力に代わる代替エネルギーを開発しようという動きが、国民の多くの偽らざる意見であったように思う。しかし今、このような動きが色褪せて来たように思われる。

日本国民は多くの良い面を持ちながら、「台風のように突破的に燃え上がりながら、しつっこい所がないし、きれいに諦める傾向がある」。これは風土と人間の関係を述べた和辻哲郎氏の説であるが、まさに最近の様子を見るとこれが当たっているように思われるのは残念なことである。

参議院選挙前に、6月29日大阪市内で行われた9政党の幹事長・書記長らによる公開討論会。「『原発ゼロ』を目指すか」の問いに、自民党を除く他の党の全員が『NO』と表明したのを見て、ほっとした。我が国にもまだ良識が存在しているのだと。

昨日の『たけしのTVタックル』。この番組は全ての政党に門戸が開かれており、各党が喧々諤々と意見を述べ合う優れた番組であると私は思う。その番組でゲストとして招かれた福島県・大熊市で農業を営むご夫婦の悲痛な叫びを聴いた。「政治家は我々を人間と思っていないのではないか? 地元が汚染されて帰れないなら帰れないと早く言って欲しい!我々も年だし余命も余りないのだから』等々。アベノミクスによる景気回復の期待も理解できないことはないが、何事にも先に政治家が為さねばならないのは、東日本大震災の復興ではないかと思い知らされた。

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