緒方貞子さん・我が国が誇る外交官
緒方さんは、外交官や政治家の多い家系に育ち、また英語力に優れていることもあったにせよ、市川房枝さんの推薦と要請により国際連合の仕事に携わったのを契機として、実力で、東洋人として初めてUNHCRのトップに選ばれた。
選ばれた当時は、東洋人への偏見や女性に何ができるの...かという部下からの冷たい視線が彼女に注がれていたという。しかし、緒方さんは、持ち前の行動力と勇気ある決断力を武器に、アフリカや旧ユーゴスラビア・コソボなどにおける戦争が生み出した弱者である難民を救うために世界を駆け回り、信頼と人々の尊敬の念を得た。
特筆ですべきは、前例にとらわれない決断を次々に下していったことだ。これが男性ならば、組織の「しがらみ」にとらわれて周囲を気にし、優柔不断となり、物事が進まなかったかも知れない。緒方さんにはそのような「しがらみ」がなかったのであろう。我が国の政治の舞台を見ても、緒方さんのことを考えると、考えさせられることがある。女性だけの肩を持つわけではないが、遅々とした福島原発の復興などを見ていると、男性主体の政治には疑問が投げかけられる。
この番組で印象に残った点がもう一つある。このような緒方さんの必死の努力で命を救われた女の子たちの中に、「オガタ・サドコ」と名付けられた子供さんがいることだ。いかに緒方さんが、真に難民の人たちに尽くしたかを物語るものであり、感動した。
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