効率性の重視は人間的な絆を希薄にする
効率とか、あるいは少し大袈裟な話になるが経済合理性というもの は、この現代社会では必要かも知れないが、あまりこれが高じると 人間的な関係性(絆と言ってもいい)が薄れる。柳田邦男さんは、 次のような事例を挙げ、このことを説明しておられた。
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かなり前、医療技術が今ほど進歩をとげていない時、あるお医者さ んが末期がんの患者を診ておられた。モルヒネなどの治療薬もなく 、適切な痛み止めを施すこともなく、とても気の毒な形で看取った 。そのお医者さんは、それが非常に心残りだった。ところが、その 患者さんを看取った奥さんから、「あの時は本当にありがとうござ いまし。先生が一所懸命に向き合って下さったお蔭で私たちも支え られました」というお礼の言葉を受け取ったそうである。
しかし最近は、痛みの治療が進歩し、穏やかな最後を迎えることが できるようになったのに、家族...からは、「あの時は本当にお世話になりました」という類の言葉を 聞くことが少なくなったという。つまり技術が進歩し対応がうまく できるようになると、それが当たり前のようになってしまい、人間 的な触れ合いが薄れて来たということである。だから今後、医者は 、こういった技術の変化に対応しても、心の通い合えるような対応 を工夫しなければならないと感じたそうだ。
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私は、日本人は特にそうだと思うが、人間は結果の評価よりもプロ セス(過程)の評価を重視する傾向が強いと思う。仮に良い結果が 得られなくても、『お医者さんが努力して最善を尽くしてくれたこ とに対して』、感謝する気持ちがある。このような気持ちを失わな いようにすることが大切であると思った。
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かなり前、医療技術が今ほど進歩をとげていない時、あるお医者さ
しかし最近は、痛みの治療が進歩し、穏やかな最後を迎えることが
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私は、日本人は特にそうだと思うが、人間は結果の評価よりもプロ
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