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2014年1月22日 (水)

JR北海道の経営問題・国鉄民営化は成功だったと云えるのでしようか?

JR北海道のレール点検数値改ざん問題の原因は、JR北海道自身の放漫経営に起因することについて云うまでもないが、しかし同情的に見れば、JR北海道が国鉄分割民営化当初から抱えていたハンディキャップにあることも考えてみる必要がある。経済合理主義の観点から一方的に判断することはおかしいと思う。

JR北海道の問題は、人員不足の問題に尽きると思う。
国鉄分割民営化によって、国鉄は分割されたが、分割は平等な経営環境をもってなされたのではなく、当初からJR東海、JR東、などの“裕福な”会社とJR北海道やJR四国の“貧乏な”会社に分かれてのスタートだった。これを補正するために、経営安定基金というのを設け、その運用益で不採算会社の経営をカバーしようしたが上手くいかなかった。

JR北海道は、“貧乏な”会社であるが、営業路線が比較的長い、利用者が比較的少ない、加えて北国であるので、維持管理費用も嵩む。それ故、毎年300億円前後の営業損を出すので、人員の補充も十分にできなかった。一方、JR東海などは、儲かるので次から次へと設備を更新し、人員も補充する。

これから云えることは、国鉄の民営化は全体から見れば、成功とは云えなかったのではないか。分割された会社間の貧富の格差を出さないように、JR全体として、黒字の会社の利益を、赤字の会社に回すというようなトータルなシステムをもっと考えて構築すべきだったのである。

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