中川政七商店・伝統工芸品の歴史を守る
今、読んでいる本に、柳宗悦著『手仕事の日本』という、30年程前に書かれた書籍がある。柳宗悦氏は、民藝運動の創始者と言われている。同氏は優れた民芸品を求めて全国を隈なく歩き、各地に残る美しい手仕事を紹介しながら、日本にとって手仕事がいかに大切なものであるかを訴えた。
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文明の発達と共に機械化、量産化が進むことは避けられないことだが、柳宗悦氏が述べているように、我が国にあるハンドメイドの優れた品物は、我...が国が誇る文化遺産(資産)として、今後も残していくべきであり、このことが我が国の細やかなモノ造りを支える大きな柱になるのではないかと私は思っている。
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この本を読んだ後、テレビで、中川政七商店という、奈良県で300年続く老舗企業の存在を知って感動した。同社は麻織物(奈良晒し)の製造業者だが、全国に33店舗を持ち成長を続けている。
特筆すべきは自社製品を製造・販売するだけでなく、全国の伝統工芸品を自社の店舗で売り、瀕死状態のモノ造り企業を再生しているのだ。社長の中川淳氏は、2年間の大手電機メーカー勤務を経て、家業を継いだ。そして赤字で喘いでいた同社を再建させ。更に優れた製品を持ちながら廃業の危機に陥っている中小企業の経営支援に暇がない。
同社が、東京丸に構えた「中川政七商店」には、自社の麻織物だけでなく、包丁、土鍋、ノート、陶磁器など暮らしに密着した伝統工芸品が並べられているそうだ。私も機会があれば見にゆきたい。
中川政七商店→ http://www.yu-nakagawa.co.jp/about/
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