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2014年4月

2014年4月28日 (月)

NHKスペシャル「緊急ルポ貧困連鎖社会」<女性たちの貧困~新たな連鎖の衝撃~>を見て

昨日のNHKスペシャル「緊急ルポ貧困連鎖社会」<調査報告・女性たちの貧困~新たな連鎖の衝撃~>は素晴らしく良くできた番組で、感動させられた。
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この番組は、10代20代の女性の間で深刻化する貧困の実態を描いたものであった。親の世代の貧困が、子の世代へと引き継がれ、特に若い女性たちに重くのしかかっているという現実を幾つかの事例をあげて説明している。 一日一食でインターネットカフェを生活拠点として、働きながら何とかその日その日を生きている姉妹、シングルマザー親子の切り詰めた苦しい生活、毎日を生きていくための生活費を稼ぐために、日夜働きながらほのかな希望を持ち、保育士の資格獲得を目指す若い女性、等々。

番組を観る人は、若い女性が何とか生きていこうと懸命に努力している姿を見て、涙に誘われるだろう。

ところで、安部政権の影響力の強いNHK会長や一部の経営委員の最近の言動を見ていると、NHKが、社会の矛盾や社会の暗い現実を覆い隠し、そのような面に焦点を当てたニュースやドキュメント番組を次第に流さなくなるのではないかと危惧しているが、今の所今回のこのような素晴らしい番組を見る限り、そのような心配はないようにも思えるが。

NHKは公共に服するという使命を帯びた放送局である。今後も時の政権に媚びることなく、一方に偏らないフェアな番組を制作し続けて欲しいと思う。https://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0427/

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2014年4月20日 (日)

歴史に学ぶ

<歴史に学ぶ>
E・Hカーといえば、歴史が好きな方は、その有名な言葉「歴史は現在と過去の対話である」と共に彼の名を聞かれたことがあると思います。NHKの「BS歴史館」の最初の表題にも出て来ました。彼は、1892年~1982年を生きたイギリスの歴史家であり、政治学者です。

この「歴史は現在と過去の対話である(An unending dialogue between the present and the past)」と云う言葉は、彼の著書『歴史とは何か(What is History?)』の中で述べられています。

E・Hカーが云わんとしていることは次の通りです: 従来、歴史というものは、特定の主観を排した客観的なものであるべきだと考えられて来ました。というのは、特定の主観にもとづいて語られた歴史は、大変わかりやすいものの、著者の特定の主観に基づいて、都合良く書かれ、それ以外の評価を拒否するものになりがちだからです。

しかし彼は、現在の眼を通して歴史を見ることの大切さを強調しています。ここでの「現在の眼」とは、自らと自らを含む社会のあり方に問題や課題を感じて生きている私たちの意識を指している言葉です。現在の自己と社会のあり方に疑問を持ちつつ歴史を学ぶ時、私たちは、はじめて、自らに語りかけてくる存在として、過去と対話することができる、と述べているもの
と思われます。
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ところで、先日から読んでいる半藤一利さんの「昭和史」の中で、半藤さんも、次の様に、E・Hカーと同じようなことを述べられています(半藤さんは我が国の誇る歴史家の一人だと私は思っています):

よく「歴史に学べ」と云われます。確かに、きちんと読めば、歴史は将来に大変大きな教訓を投げかけてくれます。反省の材料を提供してくれるし、あるいは日本人の精神構造の欠点もまたしっかりと示してくれます。同じような過ちを繰り返させまいということが学べるわけです。その意思がなければ、歴史はほとんど何も語ってくれません。

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我が国には、昭和の初めに我が国が犯した侵略的な戦争を率直に反省する立場を、自虐史観として退けたり、非難したりする政治家が存在し、東アジア諸国との軋轢を助長しています。このような政治家が出現しないようにするためにも、我が国が行って来た不都合なことでも、正直に反省する態度・姿勢が必要だと思います。

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大阪大学留学生の家庭への受け入れ

本日、大阪大学で行われた留学生受け入れの会合に家内と一緒に出席した。
我が家では数年前から留学生を受け入れているが、今回は4人目で、タイ国からの男子学生を受け入れることになった。彼は1年間日本語を学び、それから4年間専門課程で学ぶ予定だ。

彼はまだ18歳、まだ無邪気さが残る元気な若者だ。今日は彼がまだ日本語を話せないので久し振りに英語を使った会話であったので、私も英語を思い出しながらの会話を楽しんだ。

この留学生受け入れのシステムは、ホームビジットと云い、ホームステイでなく時々、家に招いて食事をしたり、どこかへ連れて行ってあげたりして、日本の生活や文化に親しんでもらうことを目的としている。将来的には我が国と諸外国との国際親善につながることにもなるので、彼が日本に滞在中はできるだけ歓待してあげたいと思っている。

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2014年4月17日 (木)

日本の観光産業が目指すべきもの

日本にとって観光産業は、大切な将来の期待できる産業である。しかしながら現時点での海外旅行者受入数を見ると、海外旅行者受入人口/その国の人口比で最も高率なのはフランスで1.22。実に人口を上回る旅行者を受け入れている。日本は僅か0.07。

フランスを見倣って世界から旅行者を集めたいものだ。西欧のみならずアジア諸国からも。特にアジア諸国は近いこともあり、重視すべきと思うのだが。

しかしながら先日、観光地開発で有名な星野リゾートが、日本への観光客招致に先だって、インドネシアに西欧の富裕層を対象とした日本式のリゾート地を開発し、日本ファンを増やし、その上で日本への西欧富裕層の誘致を働きかけるという戦略を考えていることを知り、それはおかしいのではないかと感じた。

アジア諸国の人々を除外した、しかも富裕層だけを対象としたような同社の戦略は、あまりにも行き過ぎた西欧崇拝ではないのか。時代に逆行するものだ。西欧のみならず、アジア、中近東、南米など、富裕層も庶民層も含めた戦略を考えるのが本当ではないのかと感じた。

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袴田さんのこと

無実の罪を着せられていたが、このほど無罪であることが判明した袴田さん。本人の無念は想像を絶するものであったであろう。同情に堪えない。

そして袴田さんを支え続けて来たお姉さん。報告集会などに参加しているご様子をテレビでよく拝見するが、お歳より若く見え、お元気だ。自分の人生を犠牲にして、弟さんを励まし続けて来たことに真の家族愛を感じる。

世間では兄弟の間でさえ、その絆が希薄になりつつあるというのに。

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2014年4月 4日 (金)

STAP細胞を巡る「理研」の対応はこれでいいのか

STAP細胞についての真偽は別として、理研内の小保方さん擁護派は少なっていると聞く。他の人は権力をもった多数派に靡びかざるを得ないなのか。小保方さんは、「理研により不正と認定された点は、理化学研究所の規定で研究不正の対象外となる悪意のない間違いであるにもかかわらず、改ざん、捏造と決めつけられ、とても承服できません。近日中に不服申し立てをします」と述べている。

私も今の所、彼女が意図的に不正な行為をやったとは思われないのだが。 理研トップの理事長でノーベル化学賞受賞者の野依氏は、小保方さんの言い分も聞かず、彼女の行為を断罪している。そこには小保方さんを切って、彼女一人の責任に帰し、自分自身及び理研という組織を守ろうとする「保身の意図」がありありと見え隠れする。裏には「特定国立研究開発法人」認定のために、若い研究者を犠牲にしようとしている意図がある様だ。

本件、もう少し、小保方さんのことも思いやった穏やかな落としどころがなかったのであろうか、と思うと残念である。このようなモラルなき野依理事長の行為はノーベル化学賞受賞者として、また人間としての品位を落とすことになりかねない。

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2014年4月 2日 (水)

箕面の桜

昨日、4月1日、箕面観光ボランティアガイドの仲間と、ガイドの下見を兼ねて箕面の山に登り春のヤマザクラを楽しんだ。箕面の山にも色々な桜がある。4月初めから4月末にかけてこれらの桜が次々と咲いていく様子を見るのは楽しいものだ。

最初に登場するのがエドヒガン(江戸彼岸)だ。このサクラは原種の桜で、花は小ぶりだが生命力が強く、樹齢数百年に及ぶ古木さえある。全国にある名木は殆どがエドヒガンである。花は葉が出る前に咲く。

次がヤマザクラ。これも桜の原種で、赤っぽい葉とともに淡いピンクの花が同時に咲く。有名な吉野の桜はこのサクラである。これに続いて、あまり知られていないが、小さな白い花をブラシ状につけるウワミズサクラ(上溝桜)が、その次に薄黄色の小さな花をブラシ状につけるイヌザクラ(犬桜)と続き、最後に緑っぽい葉と白乃至淡紅色の花が同時に咲くカスミザクラ(霞桜)が咲いて、4月末に桜の季節が終わる。

因みに、我々が街で見かけるソメイヨシノは、江戸時代後期に、江戸郊外の染井村(現在の駒込)で、エドヒガンと大島桜を交配してつくられた桜である。寿命は短い。 箕面の山には、桜の他にも、コバノミツバツツジ(小葉の三つ葉躑躅)などの花が咲いていて大いに進みゆく春を楽しんだ。

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