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2014年4月20日 (日)

歴史に学ぶ

<歴史に学ぶ>
E・Hカーといえば、歴史が好きな方は、その有名な言葉「歴史は現在と過去の対話である」と共に彼の名を聞かれたことがあると思います。NHKの「BS歴史館」の最初の表題にも出て来ました。彼は、1892年~1982年を生きたイギリスの歴史家であり、政治学者です。

この「歴史は現在と過去の対話である(An unending dialogue between the present and the past)」と云う言葉は、彼の著書『歴史とは何か(What is History?)』の中で述べられています。

E・Hカーが云わんとしていることは次の通りです: 従来、歴史というものは、特定の主観を排した客観的なものであるべきだと考えられて来ました。というのは、特定の主観にもとづいて語られた歴史は、大変わかりやすいものの、著者の特定の主観に基づいて、都合良く書かれ、それ以外の評価を拒否するものになりがちだからです。

しかし彼は、現在の眼を通して歴史を見ることの大切さを強調しています。ここでの「現在の眼」とは、自らと自らを含む社会のあり方に問題や課題を感じて生きている私たちの意識を指している言葉です。現在の自己と社会のあり方に疑問を持ちつつ歴史を学ぶ時、私たちは、はじめて、自らに語りかけてくる存在として、過去と対話することができる、と述べているもの
と思われます。
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ところで、先日から読んでいる半藤一利さんの「昭和史」の中で、半藤さんも、次の様に、E・Hカーと同じようなことを述べられています(半藤さんは我が国の誇る歴史家の一人だと私は思っています):

よく「歴史に学べ」と云われます。確かに、きちんと読めば、歴史は将来に大変大きな教訓を投げかけてくれます。反省の材料を提供してくれるし、あるいは日本人の精神構造の欠点もまたしっかりと示してくれます。同じような過ちを繰り返させまいということが学べるわけです。その意思がなければ、歴史はほとんど何も語ってくれません。

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我が国には、昭和の初めに我が国が犯した侵略的な戦争を率直に反省する立場を、自虐史観として退けたり、非難したりする政治家が存在し、東アジア諸国との軋轢を助長しています。このような政治家が出現しないようにするためにも、我が国が行って来た不都合なことでも、正直に反省する態度・姿勢が必要だと思います。

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