土井たかこさんの死を悼む
土井たかこさんが亡くなられた。戦後の政治に偉大な貢献をされた政治家がまた一人消えてゆくのは淋しい。“おたかさん”という愛称で呼ばれた人だった。
土井さんは社会党初の女性党首として再建を託され、1989年の参院選では大勝利し、自民党を野党に追いやった。しかし社会党はその後、細川政権や自民・さきがけとの連立政権を組む中で、独自のカラーを出すのに失敗し党勢が衰退。社民党と名を変えた後も低迷している。
土井さんは社会党員の多くに見られたマルクス主義とは一切関係がなく、ただ反戦・反権力を貫いた平和主義者であり、弱き庶民のための政治を行なう人だった。...
======================
ただ悔やまれるのは、社会党が、ファシズムに対しては厳しい態度を示しながらも、もう一方の全体主義である共産主義、すなわち人権を無視した独裁政治を行なう共産主義に対しては、毅然とした態度(反全体主義=反共産主義)を示さず、曖昧な形で終始したことが現在に至る社民党の低迷に繫がったと私は思う。
西欧には、イギリス労働党、フランス社会党、北欧諸国で政権を担っている社会民主党の様に、保守党と並んで西欧での大きな政治潮流を成している社会民主主義政党がある。経済最優先でなく、大きな政府によって、庶民の生活・福祉を大切にした、いわゆるリベラルな政治を行なう集団である。
我が国もこのような政党が存在していれば、一党独裁の様相を呈している混迷した今の様な世の中にはならなかったであろう。今後このような政党の出現を期待したい。土井さんのような方が現れれば、このような政党の出現は期待できるかもしれない。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント