作家・石牟礼道子のこと
作家・石牟礼道子(いしむれみちこ)さんのことは、今まで、お名前だけは存じ上げていたが、あまりよく認識していなかった。先日NHK番組「日本人は何をめざしてきたのか―知の巨人たち」を観て、偉大な人であることを改めて知った。『苦海浄土(わが水俣病』の著者である。
我が国が戦後の復興を遂げつつあった高度経済成長の時代、経済白書で、「もはや戦後ではない」と言われる程、国民が生活の豊かさを実感し始めていた頃、一方では公害問題が大きな負の側面として大きく浮上していた。
九州の水俣では、チッソ(株)・水俣工場が海に垂れ流す無機水銀を含む廃液が原因となる水俣病が発生。多くの人が水俣病の犠牲となった。最初はチッソが自社の責任を認めなかったが、最終的には昭和42年頃、国も公害病であると認定した事件である。
水俣という町で生活し、そこで結婚され、代用教員などをしながら、患者の方の家々を回り、苦しみや悩みを聞き、小説にまとめられた。またチッソを相手にした抗議活動や損害賠償交渉などにも参加された。その生涯を賭けての立派な献身的な活動には、言い尽くせない感動を覚えます。石牟礼さんは今87歳。なお御健在であり、晩年患ったパーキンソン病と闘いながら、お元気に執筆活動を続けておられる。
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