NHK番組、かんさい熱視線「戦後70年 なぜ“特攻”に志願したのか」を観て
昨日のNHK番組、かんさい熱視線「戦後70年 なぜ“特攻”に志願したのか」で、元特攻隊の92歳の方が、学生に自分自身の戦争体験を伝える活動をされているということを知りました。
その方が言っておられたことは、戦争というものを知らない若者に、自分が生きている間に何とかして、戦争という過去の愚かな行為の無意味さ、悲惨さを知ってもらいたい。そのような動きがあれば主体的に、大勢に惑わされず、反対の意思を示して欲しいということだったと思います。
そのためには、多くの情報が飛び交う現代社会において、情報の良し悪しを自分自身で判断する能力を身に付けて欲しいということだったと思います。たとえば、他の人が賛成しているから、あるいは地位的に偉い人(人格的に偉い人ではない)が賛成しているから、それは正しいだろうと思って、自分もそれに追随して賛成する、といったような姿勢は駄目で、自分自身の意志を持って、大勢に流されることなく、自分自身で判断して行動して欲しいということでした。私も全く、同感です。
現在、我が国では、政権党によるメディアへの介入を通じての世論誘導など、好ましくない事態がじわっと進行しています。戦後70年間、我が国は戦争というものがなかったため、「国に任せれば安心」という感覚が満ちています。それに加えて、長い不況からの脱出、中国のなりふり構わぬ傲慢な覇権主義などに対する反感、などが重なり、誰でもいいから強力なリーダーにこの閉塞感を打ち破って欲しいと言い願望があります。これは危険な風潮です。それが一部に国家主義的な政治家の台頭を醸成する環境を生み出しています。
国家主義とは、個人よりも国家権力を優先させ、個人の自由な発言を封じることです。国家権力は時として、事実を隠蔽し国民を裏切ることがあります。日露戦争や太平洋戦争当時のことを思い浮かべれば明白です。
ですから、国民は一人一人が、大勢に流されないで、自分の考えをしっかり持ち、行動することが必要です。身近な暮らしに直結する経済が大切なことは云うまでもありませんが、国家の行く末、国家のビジョンに対しても関心を持つことが求められます。
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